君と僕の温度感。

僕は強くありません。 ページ19

＜北side>









『ｻﾞﾜｻﾞﾜ･･･ｻﾞﾜｻﾞﾜ･･･』









舞台が決まった時、呆気に取られた。

｢え、なんで俺･･･？｣って思った。



聞かされるだいたいの内容に、日程。

そして｢おめでとうございます｣って言われて俺はやっと、

｢嬉しい｣って思えた瞬間だった。



でもその瞬間から頭の中の交通整備が始まった。

その時の俺の頭の中って言ったら、

元々やらせて頂いてる仕事にツアーの事で埋まっていた。









そこに新たに｢入れてくれ｣とやってきた舞台の話。









忙しくなるのは嫌いじゃない。

むしろ充実してんなぁー！ってなるから大好きだ。

頭を働かせてる感覚が好きで堪らない。









たけど決して余裕ではない。









頻繁に行われるツアーの打合せ。

それにテレビの収録、ロケ、雑誌の撮影にインタビュー。

あとはツアーで地方に飛んでライブやって、

またライブ終わったら調整の打合せがあって、

合間をぬって舞台稽古があって、

監督と根詰めて話し合ったりして･･･。









体はなんとかもっても思考回路はショート寸前w









それでもやると決めたからには、

やらせてもらえる事があるなら、

ショートしてる場合じゃない、やらねば！



って自分を奮い立たせてきた。

正直言えばね、ぶっちゃけキツかったよw



だけどライブも舞台も日にちが迫ってくるし、

キツい！って文句言う時間が勿体無く感じた。

弱音吐いてる暇あったらやれよって。









だけど段々と余裕がなくなってたのも確か。









俺台詞覚えるの苦手だし。

楽屋やツアーの移動中、ツアーの楽屋、

合間を見付けてはどんどん舞台の事が頭を占めた。



そんな俺の姿を見るメンバー達は、

｢無理してない？｣｢大丈夫？｣｢ちゃんと寝てる？｣、

｢これやっておこうか？｣｢そっちに集中していいよ｣、

｢ねぇ休めてる？｣｢息抜きも大事だよ？｣って、

自分達の経験に基づいたアドバイスや、労いの言葉、

それに十分過ぎるほど心配をしてくれた。









うんうん、ありがとな、大丈夫大丈夫、サンキューな。









みんなの気持ちは普通に嬉しい。

個人の仕事なのにみんなに支えられてるって思うし、

こうゆう時に仲間っていいなって本当思う。

< 2 >→←< 3 >

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す