君と僕の温度感。

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＜北side>








北 ｢ﾝ……｣


藤 ｢ｽｰ…ｽｰ…｣


北 ｢……。｣








長い鬼コールをした日の次の日の朝。

俺はだいたいコイツの腕の中にいる。









藤 ｢ｽｰ…ｽｰ…｣









終電…もぉなかったのに何で来たんだろ…。

自分の車…？タクシー…？

あ、なんとなく酒の臭いすっからタクシーかな…？



ってか、なんで来たんだろ…。

あ、俺が鬼コールしたからか…。

じゃあ…もぉいいのかな…。



って、この1人のやりとりももぉ何度目だろう…。









北 ｢……｣


『ｷﾞｭｯ…』


北 ｢ｽｰｰ……ﾌｩｰｰ…｣









布団なんか比にならないぐらいの安らぎ。









くだらない喧嘩をした日。

俺はだいたい終電まで飲む。

絶対俺からは謝らないと意地を張って。



だけどだいたいいつももぉ謝りには行けないんだと、

回送になる電車を見送って後悔する。



お互い頑固な所がある。

だからアイツが先回りして家にいるなんて事は絶対ない。

だから｢ただいま｣と言う必要はない。



電気をつけてる所を万が一見られたら、

待ってたんだと思われたくなくて絶対つけない。



喧嘩した日はだいたい寝付きが悪い。

何が、誰が悪かったなんて分かってるから、

もぉグルグル考え込んだりもしない。

ただ玄関が開くんじゃないかと期待して時間を眺める。



でも結局連絡はないし、来る気配もなくて、

苛立って、寂しくて、もぉなんか色々嫌になって電話する。



バカなのもクソなのも自分。

会えないのも寂しいのも自分のせい。



俺は知ってる。

留守電にならないのは電話先にコイツがいるから。

だから悲しくなる、後悔する、今度こそ嫌われたと思う。

そんで消えてなくなりたくなって飛び降りる妄想をする。









藤 ｢ﾝﾝ……ぁ…ﾊﾖ…｣


北 ｢はよ…｣


藤 ｢反省した…？｣


北 ｢ん…｣









だけど飛び降りた着地点にはいつもコイツがいる。

俺は待ってた、受け止めてくれるのを。

受け止めてくれると、いつも信じて飛び降りてる。






だから目が覚めた時、隣にいるとホッとする。






信じた通りにまた受け止めてくれたと。

またこんな俺を許して来てくれたんだと。

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