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<北side>
北 「はぁぁぁ・・・・・・え・・・」
あれから仕事を終わらせ真っ直ぐ帰宅すると、
何故か玄関前に腰を下ろしてる太輔。
藤 「でっかいタメ息なんかついて珍しいね」
立ち上がりケツを払いながらそう言って笑われ、
顔を向けられ目が合うと「おかえり」と微笑まれた。
俺は「ヤバイ」って後ろめたさから心臓が騒ぎ出した。
藤 「早かったね」
北 「ん、あぁ、あっちもキャンセルになった」
藤 「へぇ〜。なら連絡くれたら良かったのに」
北 「もぉ予定入れてたら悪いと思ったんだよ」
藤 「ふぅん」
太輔の気の抜けたような返事が、
全てを見透かしてるようで怖い・・・。
『ガチャッ・・・・・・ゴト・・・ゴト・・・』
北 「で、どうした?わざわざ待ってるなんて」
藤 「待ってちゃ駄目だった?」
北 「いや?でも早く帰るなんて言ってねぇのにさ」
俺は自分の動揺を誤魔化すように、
「何時間待つつもりだったんだよ」って笑って振り返ると、
太輔は靴も脱がずに玄関に立ちっぱだった。
北 「・・・あがんねぇの?」
藤 「いいの?」
北 「いや、来といてそれ?(笑)」
藤 「迷惑なら帰ろうかと思って」
北 「なんだよそれ(笑)」
ふざけたように笑ってみせるけど、
心臓はさっきよりもバクバクとうるさかった。
北 「別に迷惑なんて言ってないだろ〜(笑)」
藤 「・・・」
北 「なんだよ〜連絡しなかったの怒ってんの?」
藤 「・・・」
北 「悪かったよ、でもキャンセルになったの仕事の後で」
俺はあたかも本当に予定があったように、
まるで待ってた太輔を気遣ってるように、
ベラベラと口から嘘を垂れ流した。
北 「でもお前も連絡くれたら良かったのに」
藤 「・・・」
北 「そしたらもっとダッシュで帰ってきたのよ〜」
藤 「本当?」
北 「当たり前だろ」
藤 「俺が連絡したら帰りは遅くしたんじゃないの?」
ドクンッて吐きそうなくらい胸が脈打った。
もぉ誤魔化せないかも・・・と思いつつも、
「何言ってんだよ、意味わかんねぇ(笑)」なんて、
俺は無駄に笑って取り繕ろい続けた。
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朱蝶(プロフ) - いゆらんさん» いゆらんサン♪こんばんは(*^^*)最後までお付き合い頂き有難うございました(*^^*)楽しんで頂けたなら良かったです!また朱蝶ワールドにお連れ出来るように頑張ります(*^^*) (2017年10月2日 18時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
いゆらん(プロフ) - また、このような2人を読みたいです。朱蝶様の罠?沼にハマってしまうお話をお待ちしておりますm(_ _)m (2017年10月2日 15時) (レス) id: 3188bfb525 (このIDを非表示/違反報告)
いゆらん(プロフ) - こんにちは♪完結おめでとうございますm(_ _)m朱蝶様の言う通りのハラハラドキドキをとても味わいうふうふさせられていました。今回の短編の藤北私は好きです。意地悪?イタズラ?上手く言えませんがそんな太輔さん、グルグルするみっくん好きです。 (2017年10月2日 15時) (レス) id: 3188bfb525 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - kkeeさん» kkeeサン♪最後までお付き合い頂き有難うございました(*^^*)私の狙った温度感を感じて頂けたなら良かったし、何より楽しんで頂けたなら安心です!!こちらこそ有難うございますです(*´▽`*) (2017年9月27日 17時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - MISAさん» MISA様♪んふふ、MISA様にそんな風に言って頂けて良かったです(*^^*)私もなんかやたら小難しかったり、殺風景な感じが私らしくないと思ってたんですが、でも2人の本質的なものは私のままな気がして、MISA様にそこを気付いて貰えて嬉しいです!流石MISA様です(*´艸`) (2017年9月27日 17時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶 | 作成日時:2017年1月27日 18時