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<北side>
北 「…」
太輔の上着を見ると胸が締め付けられた…。
いくら俺が大丈夫だと言おうと、元気づけても、
そんなの解決になる訳がなかったんだ…。
俺は今、まだ待ってるだけだ…。
しかも周りの落ち着きを見れば、
きっとアイツは大丈夫だ……と、まだ思える…。
でも…でも、アイツは…
アイツは本当に俺の生死に直面した…
あの夜、俺が待ってた日は反り血だったけど…、
あれが全部本当に太輔の血だったら…と、
想像すれば俺はきっと普通でいられる自信がない…。
もしこのまま…って考えただけでゾッとした…。
玉 「俺もさ、お頭はもぉ大丈夫だと思ってた」
北 「…」
玉 「でも今思えばさ、過剰な愛情表現も不安から来るもんだったのかな…」
北 「…」
玉 「俺は吹っ切れたからだと思ってた…」
玉は転がってた枝で地面を弄りながら言った。
玉 「きっとずっとお頭の傷は消えないんだろうね…」
北 「…」
玉 「ミツの傷痕と一緒でさ」
北 「…」
玉 「でも…それでもお頭は幸せそうに見えたよ…?」
それじゃ駄目なの…?
ずっと痛がってるよりは良いんじゃないの?
お頭はきっとそうする事で前を向けてたんじゃないの…?
と言われ、自分がした事を悔いた…
俺はその傷口に塩を塗ったんだ…
本当に始めはアイツに元気になって欲しくて…、
傷痕なんか気にしないで普通でいて欲しかっただけ…。
アイツが笑ってりゃ嬉しかったのに…。
北 「でも…」
玉 「?」
北 「必要だと思ったんだ…、アイツは頭だから…」
玉 「…」
北 「頭としても生きていかなきゃいけないから…」
玉 「…うん、ミツの気持ちも分かるよ…」
北 「…」
玉 「でもさ、お頭は充分お頭してる」
北 「…」
玉 「じゃなきゃうちはこんなにまとまってないよ」
北 「…」
玉 「勿論ソレはミツが総隊長として頭に厳しくして、」
北 「違う」
玉 「?」
違う…太輔は…頭として動かなきゃいけない時は、
俺が言わなくたってちゃんと頭してた…。
なのに…なのに俺は…、
普段から立場だの威厳だの言って、
アイツを頭に縛り付けようとした…
北 「……俺…何やってんだ…」
大事なのは太輔が頭で居続ける事じゃねぇのに…。
太輔が太輔らしく頭で居続ける事だったのに…。
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朱蝶(プロフ) - 稀嵐さん» 稀嵐サン♪あ~(笑)俺達出てるよ、すげぇなって笑ってて欲しいですね(笑) (2016年12月22日 1時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
稀嵐(プロフ) - 朱蝶サンお返事ありがとうございます!今頃砦ではDVDの発売を記念して華組で鑑賞会しながら盃酌み交わしていて欲しいですね笑 (2016年12月21日 22時) (レス) id: 1f280d4abe (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - 稀嵐さん» 稀嵐サン初めまして、お逢いできて嬉しいです(*^^*)DVDからわざわざこちらに足を運んで頂き有難うございます!!私も井江で再びお頭と総隊長熱を拗らせております(笑) (2016年12月21日 19時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
稀嵐(プロフ) - TourのDVDが発売されてPSYCHOをみたときに、この作品をふと読みたくなって最初から一気によみこんでしまいました!PSYCHO見ながらもあっ!お頭!とか総隊長〜!!なんて頭の中で変換しながら楽しんじゃいました笑 (2016年12月21日 18時) (レス) id: 1f280d4abe (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - つーちゃんさん» つーちゃんサン♪お久し振りです(*^^*)そうですよね、live行ってなければ分からない事ばかりですよね、すみません(^_^;)でも楽しんで頂けたみたいで良かったです、最後までお付き合い頂きまして有難うございました(*^^*) (2016年10月6日 17時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶 | 作成日時:2016年8月29日 21時