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<北side>
部屋に戻るなり、楔を着たり、小刀を仕込んだり、
いつもよりも装備の多さが目について、
明らかに1人で行くつもりなんだと思った。
北 「お頭っ!!」
藤 「はいはい」
北 「おいっ!真面目に聞けって!!」
藤 「どーせ1人で行くな、だろ」
コイツは本当に馬鹿かっ!?
本当に1人で乗り込もうって奴がいるかよっ!!
そんな、話を聞かない太輔の腕をガッと掴んだ。
北 「太輔っ!!」
藤 「フッ…まだそう呼んでくれるとは有り難いね」
北 「ふざけた事言ってんなっ」
話を逸らすように笑う太輔の腕を再度引っ張ると、
今度は冷たい目で真っ直ぐ俺を見た。
.
藤 「俺がいつふざけた事言った」
.
ピリッとした空気に、俺は一瞬怯んだ。
それは多分今起きてる状況に…じゃなくて、
俺にだけに向けられたものだったから。
何怒って…
藤 「お前の目には俺はいつもふざけて見えてんだな」
北 「そ、そんな事言ってな、」
藤 「言ったろ」
離せよと腕を振り払われ、太輔はまた手を動かした。
藤 「俺がヘラヘラしてんのはみっともねぇんだろ」
北 「ぁ…」
藤 「…」
北 「そ、それと今回のはカンケー、」
藤 「関係ないってか」
北 「な、ないだろっ!?」
『ドンッッ』
北 「ッッ!」
藤 「関係あるよ」
北 「…」
藤 「俺は1度もお前にふざけた事言った覚えはねぇ」
冷たい壁と冷たい眼差しに挟まれ、俺は凍てついた…。
藤 「……今回は1人で行く、此処はお前に任せた」
準備を済ませた太輔はそう言って部屋を出ていった。
ハッとしてやっと動けたのは、
床に放り投げられた太輔の上着が目に入ってから。
急いでその上着を持って後を追い掛けた。
北 「太輔っ!!待てってっ!!」
藤 「…」
北 「チッ、待てって言ってんだろがっ!!」
呼び掛けても振り向きもしなきゃ、止まりもしねぇ。
こんな時まで喧嘩してる場合じゃねぇだろがっ!
俺はなんとか太輔の前に出て、その足を止めた。
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朱蝶(プロフ) - 稀嵐さん» 稀嵐サン♪あ~(笑)俺達出てるよ、すげぇなって笑ってて欲しいですね(笑) (2016年12月22日 1時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
稀嵐(プロフ) - 朱蝶サンお返事ありがとうございます!今頃砦ではDVDの発売を記念して華組で鑑賞会しながら盃酌み交わしていて欲しいですね笑 (2016年12月21日 22時) (レス) id: 1f280d4abe (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - 稀嵐さん» 稀嵐サン初めまして、お逢いできて嬉しいです(*^^*)DVDからわざわざこちらに足を運んで頂き有難うございます!!私も井江で再びお頭と総隊長熱を拗らせております(笑) (2016年12月21日 19時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
稀嵐(プロフ) - TourのDVDが発売されてPSYCHOをみたときに、この作品をふと読みたくなって最初から一気によみこんでしまいました!PSYCHO見ながらもあっ!お頭!とか総隊長〜!!なんて頭の中で変換しながら楽しんじゃいました笑 (2016年12月21日 18時) (レス) id: 1f280d4abe (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - つーちゃんさん» つーちゃんサン♪お久し振りです(*^^*)そうですよね、live行ってなければ分からない事ばかりですよね、すみません(^_^;)でも楽しんで頂けたみたいで良かったです、最後までお付き合い頂きまして有難うございました(*^^*) (2016年10月6日 17時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶 | 作成日時:2016年8月29日 21時