< 66 > ページ16
<藤side>
藤 「どした?」
「すみませんっ!急ぎ下までお願い致しますっ!!」
膝を付き、詳しい報告もねぇでそれだけ言うソイツ。
明らかに様子は普通じゃなく…
一瞬、あの日の奇襲があった夜の記憶が蘇った…
が、奇襲なら奇襲とまず報告がある筈。
俺は煩わしくまとわりつくその記憶を払い、
報告に来た奴に言われるまま下へ降りた。
砦内の玄関とも言える入口へ向かうと、
大半の人数が揃って緊迫した空気を放っていた。
『ドタドタッ』
藤 「どけっ」
北 「カシラっ!」
藤 「…」
下のもんが横にはけると、
まずしゃがむミツの背中が目に入った。
そして振り向くミツに一瞬言葉を詰まらせたが、
今優先すべきはソレじゃねぇと気持ちを押し殺した。
俺は……頭だ…。
しゃがむミツの前には泣いてる女…。
それとその後ろに市長、そして宮田に千賀…。
なんでコイツ等まで…、街に…なんかあったのか?
藤 「…なんの騒ぎだ…」
爺 「すまぬ太輔くん…」
女 「ウッウッ、助けてください、うちの子をうちの子を…」
藤 「あ」
よく見りゃその母親は、
この間越したばかりだと言ってアノ母親だった。
どうやらこの間の坊主が拐われたらしい。
北 「頭、西の森の山賊だ…」
藤 「誰か見たのか?」
北 「いや…でもコレ…」
藤 「?」
立ち上がったミツは俺に1通の書状を渡した。
藤 「なんだこれ?」
北 「ソイツ等からだ…」
開いてみるとソレは、
最近この界隈を荒らしてる西の森の山賊からで、
子供を預かったから取りに来いって内容だった。
爺 「この間言われた通り、皆には気を付けるように言ったんだが…」
宮田と千賀が街の見回りをしてる時だったらしい。
2人の目を盗んで白昼堂々と行われた強盗に誘拐。
ソレに最初に気付いたのは千賀だったらしい。
千 「家の中から変な物音と声がして…」
扉が少し開いてたから覗くと、
ソコには手足を縛られ、口を塞がれた母親がいたと。
『え、ちょ、大丈夫ですかっ!?』
『ンーッンーッ!ハァッ、こ、子供がっ!!』
『お、落ち着いて、』
『コレっ!コレをっ!!…ウッ…坊や…ウッウッ…』
そして千賀が渡されたのがこの書状…。
772人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朱蝶(プロフ) - 稀嵐さん» 稀嵐サン♪あ~(笑)俺達出てるよ、すげぇなって笑ってて欲しいですね(笑) (2016年12月22日 1時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
稀嵐(プロフ) - 朱蝶サンお返事ありがとうございます!今頃砦ではDVDの発売を記念して華組で鑑賞会しながら盃酌み交わしていて欲しいですね笑 (2016年12月21日 22時) (レス) id: 1f280d4abe (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - 稀嵐さん» 稀嵐サン初めまして、お逢いできて嬉しいです(*^^*)DVDからわざわざこちらに足を運んで頂き有難うございます!!私も井江で再びお頭と総隊長熱を拗らせております(笑) (2016年12月21日 19時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
稀嵐(プロフ) - TourのDVDが発売されてPSYCHOをみたときに、この作品をふと読みたくなって最初から一気によみこんでしまいました!PSYCHO見ながらもあっ!お頭!とか総隊長〜!!なんて頭の中で変換しながら楽しんじゃいました笑 (2016年12月21日 18時) (レス) id: 1f280d4abe (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - つーちゃんさん» つーちゃんサン♪お久し振りです(*^^*)そうですよね、live行ってなければ分からない事ばかりですよね、すみません(^_^;)でも楽しんで頂けたみたいで良かったです、最後までお付き合い頂きまして有難うございました(*^^*) (2016年10月6日 17時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朱蝶 | 作成日時:2016年8月29日 21時