ソノ砦、本日モ華ガ舞ウ。< 2 >

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＜北side>






俺は別に常にしっかりしてろって言ってる訳じゃねぇ…






場さえわきまえてくれてりゃ、それで良かった。

華組や2人の部屋に居る時は太輔でいて構わないんだ。

ただ、その場から1歩でも出ちまったらコイツは頭。



役割分担がある場所以外にどこに誰がいるかなんて、

人が増えすぎた今、それを把握するのは無理な話。









だから気を付けてほしかった。









俺は頭を務めてる太輔の姿が好きだったから。

憧れられて、威厳があって、ナメられる事なんかなく、

いつまでも周りに一目置かれる存在で居て欲しかった。









なのに、この馬鹿は…









『俺の居ないとこで勝手にイイ姿にすんなよ』


｢！///｣


『なっ///』









いつまで経っても俺の言うことを聞きやしなかった。









この喧嘩だって、

始めは売り言葉に買い言葉でいつもの感じだったのに、

俺が上着脱いじまった事もあって、

アイツが冗談じゃなくマジな顔するから…。



俺も今までの自分の中の貫き通したいもんとか、

守り抜きたいもんとか色々込み上げてきて、

本気で腹が立っしまった結果が…









『お頭との恋仲やめる』









なんて言っちまった…。

でも…正直本当にソレでも良いと思ってる…。

俺の事を抜かしゃ、アイツは立派な主だ…。

この肩の傷だって…もぉアイツを苦しめてねぇ…。









なら、あとは俺が離れるだけ…。









別に此処を離れる訳じゃねぇし、

俺がアイツを1人の人間として見るのも、

自慢のお頭として見るのも、想うのも、

特別な関係が終わるだけであとは変わりねぇ…。









ただ俺は恋仲である事より頭であり続けて欲しいだけ。









それが…この砦をこれからも守る事に繋がるだろうし、

1つの組織としての秩序も保たれる。

300人以上のアイツ等を路頭に迷わす事も、

必要ねぇ悪事も殺しも、争いもさせなくて済む。









太輔が頭であるように、俺もまた、総隊長なんだ…。









太輔を頭として守るのも、砦を守るのも、俺の役目だ。

だからもぉ…、『特別』は終いだ。

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