ソノ砦、本日モ華ガ舞ウ。< 2 >

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＜北side>






俺は砦に人が増えれば増えただけ冷静になった。






太輔もまた、頭としての立場を分かってるからか、

所構わずだった愛情表現は、

俺が言わずとも自ら判断して場所を選ぶようになった。









『おい、これどうなってる』


｢あ、はい、これは、｣


『分かった、終わったらコイツに言え』


｢はいっ！｣









堅苦しい事を嫌う奴だけど、

厳しくしなきゃいけない面ではちゃんと一喝いれ、

立場や威厳を保ってる姿はとても頼もしかった。



でも厳しいだけじゃなく、

時には手下達と泥まみれになりながら騒いだり、

酒を酌み交わしたり、良い距離の取り方をしていた。









だけど…









『ﾊﾞﾀﾊﾞﾀｯ』


『ﾌﾞｯ！！』


｢わっ！？あ、え、そ、総隊長！？』


『ｲﾃﾞﾃﾞ…わりぃ、少し急いでて』


｢いえ、顔ぶつけましたよね、鼻が赤く…｣


『おいっ！！！』


｢あ、お頭｣


『何触ってんだっ！！！』


｢え？｣


『なんでもねぇよ、ぶつかっただけだ』


『勝手に触んなっ！！俺のだっ！！！』


｢え、あ、え、すみませんでしたっ！！！｣


『ﾊﾞﾀﾊﾞﾀｯ』


『ったく…新入りは手が早すぎるな…』


『お前なっ！！俺のとかそうゆうのやめろっ！！！』


『なんでだよっ！？俺のだろっ！！！』


『ふざけんなっ！！！』


『痛っ！！ふざけてねぇよっ！！俺はなっ』


『てめぇなんか知るかっ！！！』









俺が関わると見境なくなる所があって、

それで口論になる日は度々あったりした。









『ミツ〜飲んでるかぁ〜？ん〜？』


『ったく、てめぇは飲みすぎだ、あと引っ付くな』


『いーじゃねぇか、楽しい酒の場だ、ハッハッハッ』


『おい誰だ、こんなに飲ませた奴』


『ミツでしょ』


『だな』


『うるせぇって次から次からへと注いでたじゃん』


『…』


『みつぅ〜おめぇは可愛いなぁ〜』









それに華組だけの席じゃ我慢するって事がなかった。









『ほら、もぉお開きにすんぞ』


『お、寝るか？しょーがねぇーなー』


『何がしょうがねぇんだ(笑)』


『ほら、可愛がって痛っ！！』


『黙れっ///』


『ったく、2人は相変わらずだな〜』


『ねぇ〜』


『ﾌﾝｯ///』









だけど、どうせ昔馴染み。

今更隠してもだし、コイツ等の前ぐらいでなら…。

って華組だけの席に限り、多少は許してた。

俺だって周りを気にせず顔を弛めたり…してた。

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