僕が彼に思うコト。

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藤 ｢おはようございまーす｣


｢おはようございまーす｣


｢おはよー｣









始まったMVの打合せ。

部屋に入ると早くも資料見つめて寛いでる北山。

目が合うと軽く手を上げられたから、俺も返した。









｢はい、藤ヶ谷さん｣


藤 ｢有難うございます｣









資料を受け取り自分も腰を下ろした。

そしてスタッフの説明を聞いて、彼との打合せ。





どんな演出にするか、どんな場所を使うか、

もしこっちの場合なら、あっちの場合なら…

そんな先ずは映像の土台の打合せ。









北 ｢ここの場所良くない？｣


藤 ｢あぁ、雰囲気あってんね｣









沢山の可能性の中から、

道が繋がっていくものを選んでいく。









藤 ｢こっちの案でやるならコレとかどう？｣


北 ｢あぁ〜…その感じ嫌いじゃない｣


藤 ｢だよね｣









でも、ゆっくり決めてる時間はない。

試行錯誤しながらも話は確実に前に。









北 ｢コレ使いたい｣


藤 ｢切り替え難しくない？｣









持ち寄った色んな案を1つ1つ潰したり、

1つ1つくっつけてみたり、

また1つ新しい案が浮かんだり、また悩んで…

自分1人じゃ浮かばなかった構成がどんどん広がって、

1人じゃないって心強いな…って思った。









北 ｢じゃ、この感じで｣


藤 ｢うん｣


北 ｢……コレが最後になってもいいようにしたいな｣


藤 ｢？｣


北 ｢FIRE、暫くコレで見納めになってもいいように｣


藤 ｢……そうだな｣









見納め。

そうかもしれない。

いくらペア曲だからって2年連続でやらせてもらって、

こうしてMVにもなって…暫くないかもな…。









北 ｢なんかさ、ハマったのそっちかよって感じだな(笑)｣


藤 ｢…あぁ、ギターじゃなくて？(笑)｣


北 ｢そぉ、またFIREかよって(笑)｣


藤 ｢確かに、そんでギターやらねぇのかよってね(笑)｣


北 ｢今度はさ…、ギターに合う曲作りてぇな？｣


藤 ｢…｣









なっ？って首を傾げて笑う北山に、

この人の頭の中はどうなってんだろうと思った。

色んな可能性を生み出す北山の頭の中を、

俺は初めて覗いてみたいと思った。









藤 ｢そうだね、簡単な曲がいいな(笑)｣


北 ｢それじゃつまんねぇだろ(笑)｣









俺は北山に何を与えられるか分かんない。

分かんないけど、もぉ分からなくてもいいや。

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