そんな感じでヨロシク。

11.内容決め《藤ヶ谷ｻﾝは考え中》 ページ11

＜藤side>





藤 ｢ん〜……｣


北 ｢何？まだ悩んでんの？｣


藤 ｢んー…｣


北 ｢まぁ今回は難しいよな、男の友情に女の子がどこでｷｭﾝｯてすんだよって感じだし(笑)｣


藤 ｢んー…｣









んー…俺が悩んでんのそこじゃないんだけどね。

多分だけど、渉ってミツ好きだったと思うんだよねぇ〜…

まぁ確かじゃないけど。

でもあの頃から渉は俺によりミツに甘かったし。

昔1度聞いた事あるけど、

それからそんな話もしないし、言われてもないし、

俺ももぉ聞きもしないけどさ、

もしそうだったら……今回のはﾁｬﾝｽじゃねぇかなぁ…









藤 ｢……｣









渉がミツを好きだった…

それを踏まえて礼を言った事も、謝った事もないし…

俺はその気持ちで今回やってもいーんじゃねぇかな…






だって、渉はﾎﾝﾄに俺の親友だし。






改めて、ミツとの事祝福してほしい。

そんでこれからも俺の…、俺らの傍にいてほしい。

渉にミツは渡せないけど、

『楽しい』も『好き』も『大事』も、

3人だから共有出来たり感じたりしていきたい…。









藤 ｢でもなぁ〜…｣


北 ｢ｸﾋﾋ(笑)｣


藤 ｢なーんだよ？(笑)｣


北 ｢いやあ？すげぇ悩みようだなぁと思って(笑)｣


藤 ｢だってさぁ、相手の台詞まで考えるとかかなり自分都合過ぎない？｣


北 ｢まぁな、相手の気持ちどんだけ分かってるかも採点項目なんじゃね〜？｣


藤 ｢相手の気持ちねぇ〜｣









渉なら…なんて言うかな…

なんて思ってから、どんな事言ってくれんだろ…

きっと俺が罪悪感感じなくて済むような、

俺とミツに亀裂が入らないような、

その場の空気が悪くならないように、

きっとそんな風に色々察してなんか言う…と思う…









北 ｢ほいKING、珈琲どうぞ｣









机に置かれた白いカップ。

その中でゆらゆら揺れる真っ黒な珈琲。

白いカップは渉。

真っ黒な珈琲は分からない渉の気持ち。

熱いかもしれない、苦いかもしれない。






『ｺﾎﾟﾎﾟﾎﾟ…』






でも俺がミルクのような、

ﾊｯｷﾘした色の気持ちでいたら、向かい合ったら…

俺と渉の関係はずっとこんなまろやかな味みたいに、

反発し合わないでいれると思うんだ。

俺と渉だから、そう思えるんだ…。

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