色鉛筆の使いかた。

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俺はｷﾞｬﾝﾌﾞﾙにﾊﾏるようになった。

勿論勝つばかりじゃないから金は必要以上に減った。



ずっと真面目に前向きにやってきたつもりだった。

でも会社はﾌﾞﾗｯｸだし、

｢普通｣の感覚が分からなくなってきて、

荒れてる俺に突然魔がさした。






俺は会社の金に手をつけた。






自分が金庫番の日に。

でも金が用意が出来たらｺｯｿﾘ返してた。

だから手はつけたけど、ﾊﾟｸってない。

それでも犯罪っちゃ犯罪だけど。



そんな生活を暫く続けたが、

やっぱり良心に耐えられなくなって辞めた頃だった。

今までのツケが回ってきたように俺に天罰がくだった。






会社の金がﾎﾝﾄに無くなった。






いきなりｺﾞｯｿﾘじゃなく、ちまちまと毎日少しずつ。

小さい会社だったから従業員が少なくて、

みんながみんなを疑う日々だった。



只でさえ過酷でｽﾄﾚｽが溜まるのに、

その事態も重なって会社の空気は最悪だった。

今回は俺がやったんじゃないけど、

一緒に俺の事までバレたらどうしようって不安だった。



その過度のｽﾄﾚｽで俺は少しの事で吐くようになった。

更に薬が無いと寝れないし、

人と接するのが段々と怖くなった事で、

精神安定剤まで飲むはめになった。

なのに追い打ちをかけるように、

酒は毎晩のように浴びるほど飲んだ。

ﾒﾝﾀﾙも身体もかなり限界になりつつあった。









この時ほど会社を辞めたいと望んだ日々は無かった。









そんなある日、寝坊をした。

枕元の携帯がけたたましく鳴っていた。

遅刻は初めてじゃないが、

いつもならやべぇって飛び起きるのにこの日は違った。

無駄に頭がﾎﾞｰｯとしていてふと頭に浮かんだのは…









ーもぉ、どうでもいいや…ー









それだけだった。

もぉこのまま会社を辞めてしまおう…そぉ思った。

神様が逃げるﾁｬﾝｽをくれたんだ。

そう感じて、俺は最低限の荷物で家を出た。



今までバックレる奴を沢山見た。

そいつらが会社にどんな目に合わされたか…

家に押し掛け、時間さえあれば家を見張られる。

まるでﾔｸｻﾞか取立て屋だ。

それを初めて見た日に確信はしてたんだ。

この会社は普通じゃねぇって。






それからの生活は今まで以上に酷いもんだった。

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