何ﾍﾟｰｼﾞ目かに恋をしよう。

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＜藤side>






『ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…』






藤 ｢ﾝｯ…うっ…せ…｣






携帯のアラームを止めて枕に顔を埋める。






あぁ…眠い…


行きたくないなぁ…






埋めた顔を横向きにして目をうっすら開けた。






藤 ｢なっ！？｣


北 ｢ｽｰ…ｽｰ…｣


藤 ｢しぃー！しぃー！｣






自分の出した声に慌てて口を塞いで、

寝息の持ち主を起こさないように1人しぃーとかした。




宏光が泊まった事をすっかり忘れてた…

枕元のスタンドライトは灯りが付きっぱなし、

本も開きっぱなし、

いかにも本読んでる最中に寝ましたって格好(笑)




寝顔、可愛いなぁ…。




ついまじまじと見てしまった。

まつ毛長いなぁ〜

これが29？ってか男？本当に？

本当、嘘みたいに可愛い。




宏光を起こさないように部屋を出て仕度を始める。

朝一緒に出るって言ってたけど、

どうせ朝方まで本読んでたんだろうな…

ページ最後の方だったし(笑)

俺は起こさない事を選んだ。






藤 ｢よし、行くか｣






『ｶﾗｶﾗ…』






俺は置き手紙とスペアキーを置いて家を出た。

出会って2日の子に鍵渡すとか、

本当に宏光が悪い奴だったらシャレになんねぇな(笑)




でもたった2日で信頼…いや、安心？

取り合えず宏光ならいっか。って思えるのは、

宏光は人を惹き付ける何かを持ってんだな。

見た目以外にね(笑)




早く仕事終わらせて帰ろ。

昼飯一緒に食いたいなぁー。

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