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<北side>
それからも、俺達の距離が縮まる事はなかった。
ただ過ぎ去った約1年。
でも変化はある日突然訪れた。
アイツの指から輝きが消えたんだ。
別にだからって俺とどうこうなるなんて思ってない。
それでも、やっぱ嬉しかったんだ…
ゼロだと思ってた可能性が、
ゼロじゃなくなった気がしたから…。
誰のものでもなくなった。
それは俺の胸を弾ませるのに充分な出来事だった。
なのに充分弾んでた胸に更に拍車をかけるその日がきた。
その日は偶然窓際の1番端しか空いてなかった。
もしこのまま席が空かなかったら…
そしたらアイツ座れないな…
なら自分が変わりに席を譲って、
少しでも言葉を交わせたら…
そんな邪な感情を抱き、席についた。
彼が来るまで誰も帰るな!!!
そう願ってた(笑)
なのに窓際以外の席がちらほらと空き始める。
現実は世知辛いな…なんて鼻で笑った。
窓際が空いてなけりゃ別の席に座るのは知っていた。
あーあ…
なんて思ってたら隣の席のやつが帰り仕度を始めた。
え、え、まじかよ!?
もしかしたら、もしかしたら……
なんて考えてたらアイツが現れた。
いつものスーツ姿に、いつものカフェオレ。
君は僕の隣に座った。
隣なんて初めてで心臓が爆発しそうだった。
俺は今普通の顔してるか?
姿勢は!?悪いって思われないかな?
あ、手は?手はどこに置いといたらいいんだ!?
なんて、今思い出すとすげぇ笑える。
どんだけテンパってたんだよ俺(笑)
そして手は膝に置き少し俯いて視線だけ寄せた。
鞄を膝に乗せ何かを取り出そうとしている。
あぁ、きっと本だ。
鞄から本が見えた時、カバーがズレてるのが見えた。
あ、そのまま持ち上げたら駄目だ
そう思って思わず手を伸ばした。
でも本はアイツの手の中…。
俺は身動きが取れなくなった。
初めて聞いた声に固まったんじゃない…
本を取ろうとした体勢があまりに君に近すぎたからだ…
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朱蝶(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん♪こんにちは(*^^*)繰り返し読んでくださり有難うございます、私にとってとても特別なお話なのでとても嬉しいです(*^^*)今お泊まりですか!まだまだワクワクが沢山待ってますね(*´艸`) (2018年9月22日 18時) (レス) id: fea3ffa764 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - こんにちは(〃ω〃) 何度も何度も逢いたくなるこの世界。突然読み返したくなるんです。大好きとしかいいようがありません。今、初めて太輔君のお家にお泊まりしてる所なのに、何だかドバーッと感情が溢れだしました。早くみっ君を幸せにする為に読まなくちゃ! (2018年9月22日 15時) (レス) id: 67a79b765f (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - 斐南さん» 斐南サン♪あはは、コメントの名前見てビックリしちゃいました(笑)今ね、文字とか書き直しもしてますので、もっと読みやすくなると思いますので、また宜しくお願いします(笑) (2016年9月1日 20時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
斐南(プロフ) - もう何度も読み返しているのに、何度も何度もここへ来ては同じように感動します。このお話は私の宝物です。本恋を創って下さって本当にありがとうございます! (2016年9月1日 20時) (レス) id: e9c55da7fe (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - \(^o^)/さん» 初めまして、お逢い出来て嬉しいです(*^^*)ノンリアルですが、楽しんで頂けたら嬉しいです(*^^*) (2015年6月2日 19時) (レス) id: 8f5c2f994c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶 | 作成日時:2015年3月23日 19時