ﾎﾞｸらの強さ。- 誓 -

ﾎﾞｸらの強さ。- 誓 - 34 ページ34

＜北side>



北 ｢ただいま…｣

倉 ｢お帰り、ってどーしたん?｣

北 ｢ん?…｣

倉 ｢またなんかあった?｣

北 ｢いや…、何もなかったんだ…｣

倉 ｢は?｣




何もなかったんだ…。

良いことのはずなのに、なんかやだ…。




倉 ｢宏光?なんや泣きそうやで?｣

北 ｢泣かねぇよ…｣

倉 ｢なんや話してみ?｣

北 ｢俺…おかしいんだ…｣

倉 ｢だから言うてみ?｣

北 ｢……俺のした事間違ってないよな?｣

倉 ｢…どれの事?｣

北 ｢全部…｣

倉 ｢宏光はどぉ思うん?｣

北 ｢俺は…｣




あの時はそれで良いと思ってた。

だって、

太輔が俺の事で苦しんでるの嫌だったし、

太輔が好きか分かんないって言うから、

近付くなって、触るなって言うから…

だから、

俺がいなくなれば良いと思ったし、

でも自分責めて欲しくないから、

俺が悪者になればいいって…



だから別れたし嘘ついたのに。



なのに誰も俺を責めないんだ…

責めてくれないと嘘ついた意味ないのに…




倉 ｢宏光…、隠したるからちゃんと泣き…｣

北 ｢誰から隠すんだよ…ｸﾞｽｯ…｣

倉 ｢俺から。｣

北 ｢もぉ知ってんじゃん…｣

倉 ｢そやね(笑)｣




俺は大倉の胸の中でみっともなく泣いた。




だって、


太輔には俺を憎んで欲しかった。


俺の事を忘れて欲しいって願ったけど、


それはきっと想い出や悲しみの事で、


ﾎﾝﾄは…


ﾎﾝﾄは憎まれてでもｱｲﾂの中に居たかった。




なのにｱｲﾂは俺を責めなかった…

前へ進んでしまった…





想像した通りにならなかった事と、

周りから隠し通してた本音が、

やりとおすと決めた決意を揺さぶった。








どうしよう、太輔の中から俺がいなくなっちゃった…

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