ﾎﾞｸらの弱さ。- 願 -

ﾎﾞｸらの弱さ。- 願 - 41 ページ43

＜大倉side>



宏光が戻ってきた。



北 ｢結局戻って来ちゃってわりぃな(笑)｣




笑って戻ってきた。
戻って来たって事は仲直り出来んかったって事やろ?




北 ｢あのさ、今日明日だけ泊めてくれない?
ﾎﾃﾙ明後日までには見つけるからさ。｣




凄く自然に振る舞う宏光に俺が戸惑った。
なんで、そんな吹っ切れたように笑うん?




北 ｢なぁ、聞いてる?(笑)｣

倉 ｢宏光言いたくなかったら良えねんけど…、
藤ヶ谷ｸﾝと仲直り出来んかったん?｣

北 ｢え、あぁ。別れた。｣

倉 ｢あー、そうなんや……って、えっっ!?｣




あまりｻﾗｯと言うもんやから聞き流しそうになった。




北 ｢そんなに驚く?｣

倉 ｢そりゃそうやっ!!｣

北 ｢そっかぁ…だよなぁ…、じゃぁﾒﾝﾊﾞｰはもっと驚くかなぁ〜｣




なぁ、なんでそんな普通なん?

ほんまはめっちゃ辛いんちゃうん?

思わず俺は宏光を抱き締めた。




北 ｢…なに?｣

倉 ｢泣きたいの我慢せんとええんやで…?｣

北 ｢大丈夫だよ、離れろって(笑)｣

倉 ｢宏光…｣

北 ｢泣かねぇよ。俺から言ったんだから。｣

倉 ｢宏光から…?｣

北 ｢そぉ。俺が決めて、俺が言ったの。
だから…言った本人が泣いたらおかしいだろ…｣




押し返された手が震えてた。

一瞬見せた悲しげな顔はまるで泣くのを堪えたようにも見えた。




北 ｢ってか、なんでお前がそんな顔すんだよ(苦笑)｣

倉 ｢だって…、辛いやろ…?なんで笑うんよ…｣

北 ｢辛いのなんか忘れた。｣

倉 ｢忘れるか阿呆。｣

北 ｢忘れたんだよ…。｣








宏光はたった数時間で人が変わってしまったようだった。

泣きじゃくってたあの宏光はおらんくなってた。

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