ﾎﾞｸらの弱さ。- 願 -

ﾎﾞｸらの弱さ。- 願 - 26 ページ27

＜藤side>



家に入ると出掛けてるはずのﾐﾂが出迎えてくれた。



北 ｢お帰り!!｣

藤 ｢あれ…今日玉と出掛けたんじゃなかったっけ?｣

北 ｢うん、でも太輔の事気になって帰ってきた!!｣



気になって…?

何が?俺が玉にもﾔｷﾓﾁ妬くかって事でか?

俺、そんなにﾐﾂの事信じてないように見えんの…?



藤 ｢別に、気にしなくて良かったのに。｣

北 ｢まぁ良いじゃん良いじゃん、あのさ｣

藤 ｢何が良いんだよっっ!!!｣



ﾐﾂの驚いた顔見て我に返った。

やば…俺余裕ない…



藤 ｢ごめん、ちょっと先に風呂入ってくるわ。｣

北 ｢……うん…｣



ｼｬﾜｰを頭からかぶり頭を冷やす。

何やってんだ馬鹿…

またﾐﾂが不安に思うじゃねーか…

風呂から上がるとﾐﾂはちょこんと静かにｿﾌｧｰに座っていた。


冷静に、冷静に…


大きく深呼吸をしてﾐﾂに声をかける。



藤 ｢ﾐﾂ…｣

北 ｢あ、出た?｣

藤 ｢うん、さっきはごめん。俺｣



(( ﾋﾟﾙﾙﾙﾙﾙ ))



ﾐﾂの携帯が鳴る。

携帯を手に取りｿﾚをﾁﾗｯと見るとﾐﾂはまた机に携帯を置いた。



藤 ｢…出ないの?｣

北 ｢うん、今はいい。｣

藤 ｢でも、鳴ってるよ?｣

北 ｢うん、大丈夫。それより｣

藤 ｢誰から?｣

北 ｢え…｣



少し困った顔をしたﾐﾂに浮かんだ名前は1つだけだった。



藤 ｢大倉ｸﾝ?｣

北 ｢…ん｣



なんで、出ないんだよ。

気にしないで出ればいいじゃないか。

玉の時は出れてなんで大倉だと出ないんだよ。

そーゆーのが俺を余計不安にさせるし、

苛立たせるってなんで分かんないんだよ。

やましい事ないなら堂々としてろよ。








鳴り続ける音とﾐﾂの困った顔が胸くそ悪くて仕方がなかった。

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