僕らの匙加減。< 2 >

< 3 > ページ19

.






さて、俺も諦めて本格的に準備をした。

よく見たらみっちゃん服のボタンがかけ違えていた。

太輔が着せてあげたんだろうけどね。



2人に色違いの桜の名札をつけ、

太輔にミッキーのポーチ。みっちゃんに骨のポーチ。








千 ｢みっちゃんその格好で行くの？動きづらくない？｣


横 ｢これが良いって駄々こねるんだもん｣


み ｢わんわんつおいのっ｣


ニ ｢まぁ目立っていんじゃね？｣


千 ｢リードもつけたら？(笑)｣








･･････それちょっと良いかもとか思っちゃった。

でもそのリードを持つ太輔の負担と、

世間様の目を考えたら出来ない･･･。

幼児でも越えちゃいけない一線な気がする･･･。








千 ｢いいっ！？ちゃんとお手手繋ぐんだよ！？｣


た ｢うん！｣


み ｢はーい！｣


千 ｢たいちゃん！知らない人には？｣


た ｢ついていかない！｣


み ｢ない！｣


千 ｢お菓子くれるって言われても駄目だよ！？｣


た ｢うん！｣


み ｢じゅーちゅは？｣


千 ｢ジュースも駄目(笑)｣


横 ｢太輔、みっちゃんの方に買う物書いた紙入ってるからね？お金はミッキーの中だよ？｣


た ｢うんっ！｣


み ｢みったんもおかねー｣


千 ｢みっちゃん(苦笑)｣


横 ｢みっちゃんはこっち｣


み ｢えー！！！｣


ニ ｢お。ミツの紙いいなぁー！これないと買い物出来ないからミツすげー！｣


み ｢･･･｣








ニカの一言でポーチの中の紙と俺らを交互に見るみっちゃん。

俺達は必死で凄い凄いと盛り上げると、

みっちゃんは納得したんだか満面の笑顔。

太輔は終始ニコニコとしてて、

はじめてのおつかいに胸を弾ませてるようだった。








た ｢みっちゃんいこっ｣


み ｢うんっ｣








仲良く手を繋いで玄関へ。

太輔は自分の靴を履くと、

みっちゃんの靴を手に取り履かせ始めた。








た ｢はい！できた！｣


み ｢ありあとっ｣


た ｢いってきますっ！｣


み ｢ますっ！｣








2人で可愛く敬礼をする姿に大人3人は笑みが溢れた。

そして玄関を出る2人を見送った。



そこからはバタバタ。

千賀と2人の後を着けるためにバタバタ。

やっぱり不安しかありませんから！！



裕太と俊くんはニカに任せ、

千賀はビデオカメラ片手に、

俺は｢おつかい見守り中｣のタスキをかけ家を出た。

ちなみにこのタスキは、

俊くんがおつかいした時にニカが使用したらしい。

< 4 >→←< 2 >

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す