僕らの匙加減。< 2 >

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＜藤side>






『ﾋﾟﾝﾎﾟｰ･･･ﾝ』






宮 ｢あ、お迎え来たかな？｣


玉 ｢ほら3人共、行くよ｣


ミ ｢ｷﾞｬﾌ！｣


藤 ｢あ･･･、ミツ･･･｣








膝を飛び下り、

3匹仲良く手を繋ぐその姿に胸が苦しくなった。








藤 ｢ミツ･･･、帰ってくるよね･･･？｣


ミ ｢ﾌｩ･･･｣








なんで･･･、なんでそんな悲しそうな顔をするんだよ？

ミツ帰ってくるよね？何処にも行かないよね？

なんだか胸騒ぎがした。

行かせちゃ行けない、そぉ思った。








藤 ｢ミツ･･･行かないでっ！そのままで良いから！｣


玉 ｢ちょ、ガヤ！？宮田！押さえて！｣


宮 ｢らじゃっ！｣


藤 ｢離せって！ミツ！そのままで愛してるから！｣


ミ ｢ﾌｷﾞｭｩ･･･｣


藤 ｢人に戻らなくてもいいっ！だから行くなっ！｣


横 ｢太輔！落ち着けって！｣


玉 ｢あ、連れてって大丈夫です。宜しくお願いします｣








無情にもミツ達の姿を消すように玄関が閉まった。








藤 ｢ミツ･･･駄目だ･･･ｳｯ･･･行くなよ･･･｣


横 ｢明日には帰ってくるよ｣


藤 ｢帰って来なかったらどうすんだよっ！？｣


宮 ｢が、ガヤさん！？落ち着いてって！！｣


玉 ｢ガヤ！！何やってんのさ！？｣








渉の胸ぐらを掴んで責め立てる俺を、

玉と宮田に後ろから必死に押さえ込まれた。








藤 ｢なんで行くこと了承したんだよっ！！｣


横 ｢仕方がないだろっ｣


藤 ｢渉だって可愛がってたじゃんっ！！｣


横 ｢可愛いからこそだろっ！｣


藤 ｢可愛いなら良かったじゃねぇかっ！！｣


横 ｢可愛い過ぎてあれじゃ誘拐されちゃうだろっ！｣


宮 ｢ガヤさん･･･横尾さんだってツラいんだから･･･｣


玉 ｢そうだよ、わったーだって可愛がってたんだから｣


藤 ｢ｳｯ･･･ｳｯ･･･ﾐﾂ･･････、ミツーーーー！！！！｣








俺はただ閉まった玄関に、

ミツの名を呼び泣く事しか出来なかった･･･。

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