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階段を下り乍ら安吾に連絡する。ある程度離れたからもう大丈夫だろう
直ぐに現場保存させられなくてごめんね、先生の所為だからね、序でに云うと辻村ちゃんに連絡した自分の所為だからね、と云うと、本当に一言余計ですねと返って来た
却説、昇降機に乗りたい所だが、此処から中に入ると他の階の係員に事情を一から説明しなければならない。それは大変面倒臭いと云う意見は先生と合致したらしく、何を考えているのか無言の先生も大人しく階段を下りている
辻村ちゃんは何が何だか判らないから説明を求めようとしていたけれど、先生が自身の口元に人差し指を当てて黙らせた
でも治は先生に気なんて遣わない。私の隣に来てだらっとし乍ら「階段辛いよぉ」なんて云ってくる。適当に遇うけど、先生も先生で文句云わないから何だか辻村ちゃんが可哀想だ
『探偵社近くまで送ってもらうからちゃんと事務所行くんだよ?そのまま川探しに行かないこと』
「え〜、昼食が未だなのだけれど」
『何時も食べないでしょ。国木田に回収するよう連絡しとこ』
「待って待って」
携帯を取り出して有言実行。国木田に連絡する。仕事をしてくれ優男。
*
『あ、済みません。矢っ張り私も降りますので先生達は少し待ってて下さい』
「五分で戻れ」
『善処します』
国木田が待っている場所に着く直前にそんな会話をして、私と治は車を降りた
相変わらず治は国木田に余計な事を云って苛立たせる。放っておいて探偵社に足を速めた
事務所に着くなり敦が心配そうな顔を向けて来たけれど、私は無視して応接間で寝ている乱歩さんの元へ行った
彼の足元で止まり、倒れるように覆い被さる
ぐえっ、と云う変な声が聞こえた
乱歩さんがもぞもぞと動き、私の頭に手を置いた
その手から実際に熱が伝わってきた訳ではないけど、温かくて、心地良かった
そして乱歩さんが云ってくれた言葉に、泣きそうになった
「…おつかれ」
身体全体にぐっと力を入れる。序でに身体を起こした
乱歩さんも起き上がってくれて、私達はお互いの顔を見る
昔、彼に云われた言葉を思い出した
"探偵社は僕を中心に廻ってる。だからかなり
___"だから、頼れ"
私は乱歩さんの顔を見て笑い、口を開いた
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夢蝶蘭(プロフ) - 知佳さん» わざわざありがとうございます!是非使わせていただこうと思います! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
知佳(プロフ) - 横浜の街のタワーは、展望台になりますが、マリンタワーというのがありますよ♪ (2020年4月4日 0時) (レス) id: 3e74e0ac2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢蝶蘭 | 作成日時:2018年4月2日 23時