137 ページ5
先生の時と、同じだ。全く。
京極も＿＿＿娘の手術費用を払う代わりに、夫婦に自 殺させた。綾辻先生の目の前で。
今度は、私。
「A、彼は…」
『………』
強く、目を瞑った。そして呟く
『先生の気持ちが、解った』
昨夜も思ったこと。気持ち悪い。不快感しか無かった
安吾に連絡する。私が関わっていることで、軍警は頼れないから。
暫く、私達は何も話さなかった。壁に背を預けて目を瞑る。被害を出さずに大爆発した音が聴こえても、私は瞼を上げなかった
敦には先に帰ってもらい、特務課の到着を待っていたが、来たのは特務課であるけれど、特務課ではなかった
「厭な予感がした」
綾辻先生は、辻村ちゃんと一緒に来た
『私は先生に連絡していませんが』
「辻村君が坂口君から連絡を受けてな。俺が此処に向かっていることは彼も知っていた」
『…？此処に？』
先生は口から白煙を吹き、相も変わらず冷たい目を向けた
「昨夜、京極が俺に云った。何者かが
…それを私に伝える為に、特務課に私の居場所を特定してもらったんだ。何故か携帯の電池が無くなっていたから
全く、コキ使ってるのは何方なんだか。
『先生に、訊きたいことがあります。多分忘れてると思うけど、京極にも答えてほしい』
「…ほう。俺を伝達人に使うとは度胸があるな」
『余計なこと云ってると殺しますよ』
先生は肩を竦め、目で私に促した
私は先生の手に耳栓を渡し乍ら、タクシーの中で見た奴の容姿を思い出す
『＿＿＿金髪で恐らく京極と同じくらい高身長の男。異国の者です。屹度その時も…赤い帽子を被っていた』
先生は注意しないと判らないくらいの息を吐き、階段に腰を下ろした
耳栓を付け、両手を合わせて親指の上に顎を載せ、目を瞑る
『辻村ちゃん、悪いけど其処一歩も動かないでね』
「え？は、はい…」
辻村ちゃんは気まずそうに先生を見た
私はその間に、安吾に電話した。良いと云うまで従業員出入口には入らないで、と。先生の邪魔をしてほしくないのだ
治は何も云わずとも動かない。有難い
腕を組んで待つこと数分…否、何分経ったかは正直判らない。私も記憶を思い起こしていたから。
先生は耳栓を外して、私を見た
「出会っている」
確かに、そう云った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 232人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢蝶蘭(プロフ) - 知佳さん» わざわざありがとうございます！是非使わせていただこうと思います！ (2020年5月18日 23時) (
レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
知佳(プロフ) - 横浜の街のタワーは、展望台になりますが、マリンタワーというのがありますよ♪ (2020年4月4日 0時) (レス) id: 3e74e0ac2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢蝶蘭 | 作成日時：2018年4月2日 23時
