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でも先ずは爆弾。特務課は云えば人員を割いてくれるけど、事後処理が面倒だったから呼ばなかった
遼だけに云って少人数を内密に動かしてもらう手もあったけど、彼は朝から重要な案件を背負っている。彼処に集中してもらいたい
だから敦を連れたのだ。敦の腕力を必要とした。纏めた爆弾を遠くへ投げてもらう為だ。私の
治はどうせ「面白そうだから」とか云って着いて来るだろうと思ったから、自分から連れて来た。爆弾を速く回収する為に二人は必要だったからね
因みに敦の代わりは賢治でもアリだったけど、お菓子をバリバリ食べてたから却下した
じゃあ国木田?彼奴あの時、出掛ける直前だったんだよ。お仕事頑張ってね。
タクシーを降りて高層建築物に入って行く。人でごった返していた
社員証を見せて昇降機に乗り、下から順に釦をなぞって三十階を押す
昇降機内も硝子でできており景色を一望出来るようになっているから、敦の表情がわくわくしていた。可愛い。
最上階まで昇る昇降機を途中で降りた
取り敢えず二人に『見付けたら回収して、その儘探し続けて』と指示をする
私は係員に事情を話して大きな鞄を用意してもらった。残り十分。
二人に連絡して合流し、鞄に爆弾を詰めてもらう。その間に二人が見付けられなかった爆弾を回収する
随分重くなった爆弾入りの鞄を敦に持たせ、最上階に運んでもらった。時間になったら上から硝子でも割って異能を遣って落としてくれるだろう
私は踵を返し、従業員専用の扉を開けて中に入った。治も着いて来る。事情を話したからか、係員に止められることはなかった
啜り泣く声が聴こえたので近くまで行く。階段の踊り場で、一人の男が蹲って泣いていた
声をかけると男は肩を揺らして顔を上げ、私を見た途端、首を振った
「だ、駄目だ…!もう時間が無い!」
『あと三分ですね。でも奥さんは…この建物はもう安全ですよ』
男は目を見開いた。そして震える足で立ち上がり、私達から遠ざかった
如何して?この人は奥さんと一緒に此処に来た。でも爆弾があることを聞いて、此処で解除した。解除方法も教えてもらってたんだ。三つ程解除された爆弾が転がっている
爆弾はまだある。この儘では妻が死んでしまう。どうしよう、と悩んでいた処に私達が来た
なのに。
男は涙を流して短刀を自らの心臓に当てた
___私が駆け寄る前に、彼は自 殺した
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夢蝶蘭(プロフ) - 知佳さん» わざわざありがとうございます!是非使わせていただこうと思います! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
知佳(プロフ) - 横浜の街のタワーは、展望台になりますが、マリンタワーというのがありますよ♪ (2020年4月4日 0時) (レス) id: 3e74e0ac2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢蝶蘭 | 作成日時:2018年4月2日 23時