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家族全員の記憶を、視てしまった
共に暮らしている母に追加で父、兄、妹、祖母の記憶を視ることは覚悟して、自室から何とか這い出た
何日か…本当に何日経ったのか、全員の記憶を視て、やっと頭を落ち着かせた。会話すれば、日を積むにつれ更新された記憶が流れたけれど、頭痛がすることはなかった
学校には相変わらず行かなかった。あんなに人が居る場所、恐怖で足が竦んで行けなかった
或る日、思わず仰天した。従兄弟が帰省したんだ。のみならず六人目の記憶も視ろってさ。あの時は軽く目眩がした
少しだけ会話をして自室に籠った。何とか頑張って記憶の流入を止めようとしたけど出来なかった。未だ異能の制御が出来ていない証拠だった
如何すれば制御出来るだろう？
考えようと、休日に外に出掛けた。会話しなければ良いのだから散歩くらい大丈夫な筈だ
商店街の軒先を見て回って、考えることを忘れて古本屋に入ろうとした時。後ろから声をかけられた。其処に居たのは僕の前の席の男だった
お前、何で何日も学校に来てないんだ？もう二週間も経つぞ。何かあったのか？と。
僕は思わず、答えてしまった。少しごたついていてね、と。
瞬間、また映像が流れてくる。僕の顔は何時の間にか引き攣っていたらしい。彼は怪訝そうに僕に如何したのか訊いてくる
何故か、流入速度が何時もより速かった。けれどしっかりと彼の記憶を理解している
何時もと違う現象だったからか、彼に何と云ったのかは憶えてない。ただ声を発しただけかもしれなかった
彼は突然、僕の腕を掴んで歩き始めた。抵抗する気もなくて、下を向いていた。だから何れだけ進んだかも判らない
着れて来られた先には、草原が広がっていた。辺りは家族連れが二組。彼は僕を草の上に座らせた
あの時の彼の言葉、今でも鮮明に憶えてる。「此処でなら落ち着けるだろ？俺は隣で待ってるからさ」って、彼は笑って云ったんだ
嬉しかった。僕を気遣って此処まで来て、何も訊かずに隣に居てくれるんだ
僕は彼の過去を無断で視てしまっているのに、こんなに優しくしてくれる
こんな友達が居たらって、始めて思った
そう、
＿＿＿想像して少し微笑んだだけ。なのに彼の記憶が、変わった
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夢蝶蘭(プロフ) - 知佳さん» わざわざありがとうございます！是非使わせていただこうと思います！ (2020年5月18日 23時) (
レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
知佳(プロフ) - 横浜の街のタワーは、展望台になりますが、マリンタワーというのがありますよ♪ (2020年4月4日 0時) (レス) id: 3e74e0ac2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢蝶蘭 | 作成日時：2018年4月2日 23時
