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聖の現在地を確認し乍ら走っていた

俺の異能は瞬間移動(テレポート)だが、過去に行ったことがある場所へしか移動出来ない。だから近くまで移動して後は走るしかないのだが…





「こんな人気(ひとけ)のない場所まで…絶対に俺対策だ…」





巫山戯ないでほしい。運動は得意じゃないんだ。肺活量なんて訊かれたくない質なんだ。今の俺の状態を見てみろ酷いぞ。

でも聖が俺への対策をしたと云うことは、彼奴はAさんにバレる(・・・)と思ってたんだ

多分、彼奴が捜しているのはAさんだろう。絶対そうだ。じゃなきゃAさんは俺に聖を任せたりしない

あの人、聖に捜されるようなことをしてるってことだろ?また無茶してるってことだろ?

そんで、それを自覚してる癖に続けてるんだろ?やめてくれよ、俺これから休もうとしてたんだよ。やっと仕事終わったんだよ。本当なら絶賛爆睡中だよ。

あの人ほんと懲りないよな…溜め息吐くしかないわこれ。やれやれ。





「あ!?」





驚かせて済まない。聖を見つけたから思わず。

だが見てくれ。此奴は俺を散々振り回した上に、Aさんとの長年の約束を破りやがったんだ

俺は駆け寄り乍ら、電話口から聞こえたAさんの言葉を思い出す





《手遅れだったら太宰治の元に行って》





まぁこうなることは大体予想してたし、太宰の居場所も特定してもらっている

唯一の留具(ストッパー)であるAさんが居ないんだ。だから直ぐに太宰の元に連れて行けるように、聖を俺に任せた

でも如何してAさんは聖を連れて行かなかった?そんなに危ない場所なのか?





「お前はもっと親友を頼りやがれ」





聖の前に屈む。建物の壁に凭れ、座って俯いていた

無理矢理に顔を上げれば、瞳が茶色ではなく空色となっていた。全く、帰ったら説教だな

こんなことをしても、今の此奴はうんともすんとも云わないんだ。俺の親友を一声で救けられるのはAさんなのだと、つくづく思い知らされる



携帯端末を確認する。太宰の奴、よく耳にするように川を流れてなきゃいいけど…

おっあ!流れてる!この速度、絶対に流れてる!喧嘩売ってんのか!

けどこの川は何度か行ったことがある

不本意乍ら奴を救けなければいけないと云う自身の立場を無視して、聖に触れた

そして指を鳴らす



異能力___『ペルシャの幻術師』




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夢蝶蘭(プロフ) - 知佳さん» わざわざありがとうございます!是非使わせていただこうと思います! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
知佳(プロフ) - 横浜の街のタワーは、展望台になりますが、マリンタワーというのがありますよ♪ (2020年4月4日 0時) (レス) id: 3e74e0ac2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢蝶蘭 | 作成日時:2018年4月2日 23時

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