遺言 ページ20
私たちに伝えてくれたのは、煉獄家に伝わる"炎柱"が残した手記の事だった。歴代の炎柱は煉獄家の者だったのだろうか
思考する程の力は残されてないが、炭治郎だけが理解していれば多分大丈夫。それよりも止血させないと
杏寿郎「よせ。俺はもうすぐに死ぬ」
「きっと間に合います...炭治郎も呼吸で止血できていた。だから間に合います」
杏寿郎「七味少女も分かっているだろうに。その涙では誤魔化せないぞ?」
「...」
杏寿郎「ここからは遺言だ。俺の家族にも伝えてほしい。弟の千寿郎には、自分の心のまま正しいと思う道を進むよう伝えて欲しい。父には体を大切にして欲しい、と伝えてくれ。」
生命の影が薄くなっていく。炎のように、まるで燃えているかのようなその美しい影が消えていく
杏寿郎「竈門少年、俺は君の妹を信じる。鬼殺隊の一員として認める。命をかけて鬼と戦い人を護る者は、誰が何と云おうと鬼殺隊の一員だ。胸を張って生きろ」
あの伊之助も、身体が震えていた
私もだ。こんなにも強い人が、美しい影を持つ人が消えるなんて
杏寿郎「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと、心を燃やせ。歯を喰いしばって前を向け。君が足を止めて蹲っても、時間の流れは止まってくれない。共に寄り添って悲しんではくれない」
伊之助「...」
杏寿郎「俺がここで死ぬことは気にするな。柱ならば、後輩の盾となるのは当然だ。若い芽は摘ませない。竈門少年、猪頭少年、黄色い少年、七味少女。もっともっと成長しろ」
私たちは...
杏寿郎「そして、今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ。俺は信じる。君たちを信じる」
炭治郎「...」
杏寿郎「そうだ...荼津にも伝えてくれ。一族の歴史に従うのもいいが、女を苦しませるな。自身の力で大切な者を護れと...そう伝えてくれ。できるか?七味少女」
「はい...っ!」
この人のような柱になりたい。
母上、俺はちゃんとやれただろうか。やるべきこと、果たすべきことを全うできましたか?
煉獄母「立派にできましたよ」
杏寿郎さんは、笑顔でこの世を去った
ずっと泣き続けていたが、伊之助が私たちを元気付けてくれたおかげで幾分かマシになってきた
荼津「...炎の呼吸は途絶えさせない。俺が全て継いでいるから...安心してくれよ。杏寿郎」
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作者名:琲世 | 作成日時:2019年7月18日 11時