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第5章 ページ7

土方side


『髪だけでは足りなかったようでしたら、此処で私の胸を切り落とします。

それで、よろしいですか?』


呆れた。


どうして、そうまでして真選組に入りたいのかわからなかった。


俺は何も言わなかったが、お人好しの近藤さんは、その言葉に少し怒っていた。


近「…っダメだよ‼そんな事しちゃ!

せっかく親御さんがくれた身体なんだから、大切にしなきゃ!」


それを聞いた女は、こう言ってきた。


『では、真選組に入らせて頂けますよね?』


土「駄目に決まってんだろ?どこの奴ともしれねぇ奴を置いとけるわけねぇだろ。

しかも、お前女だろ?女が刀なんか触れるかよ。」


その言葉に、女は少なからずショックを受けたようだった。


『…分かりました。…もう、良いです。諦めて、夫と子供の元へ行きます。

あんなこと言ってすみませんでした。…忘れてください。』


そう言って女は部屋から出ようとした。


しかし、俺は女が部屋から出ようとするのを止めていた。


土「おい。夫って言うのは分かるが、子供ってどう言うことだよ。

あの時の死体の中にガキなんていなかったぞ。」


俺がそう言うと、女は


『いいえ。夫と子供はあの時の死にました。

子供は、流産したんですよ。夫がなくなってしまったショックで。』


そこまで言うと、女はグスッと泣き始めた。


そんな様子に、近藤さんは


近「トシ。真選組に入らせてやらねぇか?

…あの時のことは、俺達が悪いんだしよ。

刀が使えなかったら、何か別の事をやってもらうって事でよ。」


しばらくの沈黙の間、先に折れたのは俺の方だった。


土「…っはぁ。分かったよ。近藤さん。

仕方ねぇ。入れてやらァ。

でも、足引っ張るようならすぐにやめてもらう。」



『っ‼本当ですか⁉

ありがとうございます‼』


俺が、真選組に入る事を渋々了承すると女はさっきまで泣いていたのが嘘のように


笑顔になった。


…は?


土「…おい。もしかして、さっき泣いてたのは嘘泣きじゃねぇよな…?」


俺がそう聞くと、女はとぼけたように


『…さぁ?どうでしょうか。』


そう言って女は、はにかむように笑った。


俺は不覚にも、その笑顔にドキッとしてしまった。

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青椿(プロフ) - 500hitありがとうございます! (2017年12月30日 21時) (レス) id: 3c821da097 (このIDを非表示/違反報告)
青椿(プロフ) - 400hitありがとうございます! (2017年8月12日 8時) (レス) id: 3c821da097 (このIDを非表示/違反報告)
青椿(プロフ) - 300hit、ありがとうございます! (2017年7月19日 22時) (レス) id: 3c821da097 (このIDを非表示/違反報告)
青椿(プロフ) - 200hit、ありがとうございます! (2017年7月8日 12時) (レス) id: 3c821da097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青椿 | 作成日時:2017年5月25日 7時

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