56.イヤリング ページ7
琵琶の音を合図に、浅草へ到着した。
魘夢さんに「どこに行く？」と聞かれ、『浅草がいいです』と答えると、魘夢さんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに「了解」と言って笑った。
無惨様と浅草を歩く夢。魘夢さんにそう言われてから、浅草に行きたくなってしまったことを悟られたのだろう。
魘「何度目かなあ、ここに来たの」
『もう数え切れないくらい来てますね』
魘「おかげさまで」
『うっ…すみませんね！？！』
魘「ふふっ、怒った怒った。責めてはないんだよ？ただ、Aちゃんは本当に此処がすきなんだなぁって。そう思っただけ。」
『大好きですよ！だって素敵な街じゃないですか。ここではなんでも揃いますよ！』
魘「うんうん、そうだねえ」
『適当だなあ〜…』
他愛の無い会話をしていると、以前までの心の霧がだんだんと晴れていくのが分かった。魘夢さんも3日前のことは特に気にしていない様子だった。だから私も気にするのはやめようと思った。
『さて！私、お腹空いちゃいました。お食事処行きましょう！！』
魘「…ストップ」
お気に入りの食事処へ向かおうと歩みを進めようとすると、魘夢さんにそれを止められた。
私は口をきゅっと結んで『何ですか』と言う意図を込め魘夢さんを睨みつけた。
魘「…ちょっと、ここで待ってよう。」
『どうしてです？…あっ！もしかして、鬼殺隊の人ですか？』
魘「…そんなところ」
曖昧な返事に不信感をいだきながらも私は魘夢さんの指示を聞き、その場でじっとしていた。
『……もういいですか？』
私が魘夢さんを見上げて尋ねると、魘夢さんは遠くを見たまま、「うん」と頷いた。
『じゃ、早く行きましょ！』
浅草に来て約1時間が経った。
夕飯(大好きな鮎の塩焼き定食)を食べてお腹いっぱいになり、食事処の窓越しに道行く人たちを眺めていた。
魘夢さんは退屈そうに頬杖を付きながらコップの中の水をスプーンで混ぜてカランコロンと氷を鳴らしている。
『！…あのイヤリング……』
私は衝動的に椅子から立ち上がった。
魘「ん？どうかした？」
魘夢さんが驚いたような表情で私を見上げている。
『あの人がつけてるイヤリング！むざ………あの方の瞳に似てませんか！？』
私は窓に額をくっつけ、指をさして魘夢さんに聞いてみた。
魘夢さんは窓に視線を移し、目を凝らして私が指でさしている先を見ている。
魘「ああ、あの赤い丸いイヤリング？」
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ラブ - めっちゃ感動しました (2022年10月22日 0時) (
レス) @page11 id: 61db7e24bc (このIDを非表示/違反報告)
ささき(プロフ) - 初めまして(^^)とっても面白くて一気に読んでしましました！またお時間ある時に、続きをお願い致しますm(_ _)m (2020年12月13日 15時) (レス) id: 0a7371db4e (このIDを非表示/違反報告)
鮭大根大好き - 劇場版，，，最高でした！！魘夢何て可愛いんでしょう，，このお話の魘夢ちゃんもめちゃめちゃ可愛いです！更新頑張ってください！ (2020年11月7日 11時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
☆李浩☆(プロフ) - あんな可愛い鬼を倒すとか私には無理…。魘夢君に支配されたい！//// (2020年10月24日 5時) (レス) id: f99bb8b48c (このIDを非表示/違反報告)
包帯無駄遣い装置 - 魘夢様に，夜子守歌歌って欲しいです笑笑ねんねんころり，，，可愛いすぎますね(^○^) (2020年9月28日 16時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗娥女 | 作成日時：2020年4月13日 0時
