51.何もわかってない ページ2
魘夢Side
最悪だ。
鬼殺隊に遭遇してしまった。
俺はAちゃんの手を引っ張りながら少し後ろを見て、市松模様の羽織を羽織った鬼殺隊が追ってきていないかを確認した。
どうやら引き返したようだ。
人の多い場所で遭遇したのが不幸中の幸いだろう。
十二鬼月である俺が一人の鬼殺隊などに怖気づくことなどない。
恐らくあいつは柱ではないだろう。
階級の低い鬼殺隊など俺の手にかかれば容易く始末することができる。
しかし、傍にはAちゃんがいる。
彼女の前で人間を殺すことは出来ない。
彼女はそれを望まない。
厄介なことになることを察せたから、俺は鬼殺隊に会いたくなかったのだ。
しかし、鬼のそばに人間の少女がいるという情報はもうじき"向こう"に知れ渡るだろう。
(……面倒くさいことになっちゃったなあ)
俺がそんなことを考えながら黙々と早足でAちゃんを引っ張っていると、ずっと黙っていたAちゃんが口を開いた。
『……あの、魘夢さん、もう大丈夫です』
大丈夫、というのは追われていないからもう引っ張ってもらわなくても大丈夫、という意味だろう。
俺はAちゃんの手を離した。
周りを見ると、いつの間にか人気の少ない通りへ出ていたことに気付いた。
ふいにAちゃんを見ると、Aちゃんは今にも泣きそうな顔をして震えていた。
魘「どうしてAちゃんが泣きそうなの？」
『……怖かったからに決まってるじゃないですか』
Aちゃんは震える声で強がった。
ぐすっと鼻をすする音が小さく繰り返される。
魘「でも、君は人間なんだから殺される心配はないじゃないか」
『………魘夢さん、何も分かってないです』
魘「…どういうこと？」
どういうことだ。この子は何が言いたいんだ。
俺はたまにAちゃんのことが分からなくなる。
…でもまあ、人間の考えることなんて大抵理解不能なのだけど。
すると、Aちゃんは小さな冷たい声で、
『……なんでもないです。今日はもう帰りましょう。』
と、俺に言い放った。
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ラブ - めっちゃ感動しました (2022年10月22日 0時) (
レス) @page11 id: 61db7e24bc (このIDを非表示/違反報告)
ささき(プロフ) - 初めまして(^^)とっても面白くて一気に読んでしましました！またお時間ある時に、続きをお願い致しますm(_ _)m (2020年12月13日 15時) (レス) id: 0a7371db4e (このIDを非表示/違反報告)
鮭大根大好き - 劇場版，，，最高でした！！魘夢何て可愛いんでしょう，，このお話の魘夢ちゃんもめちゃめちゃ可愛いです！更新頑張ってください！ (2020年11月7日 11時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
☆李浩☆(プロフ) - あんな可愛い鬼を倒すとか私には無理…。魘夢君に支配されたい！//// (2020年10月24日 5時) (レス) id: f99bb8b48c (このIDを非表示/違反報告)
包帯無駄遣い装置 - 魘夢様に，夜子守歌歌って欲しいです笑笑ねんねんころり，，，可愛いすぎますね(^○^) (2020年9月28日 16時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗娥女 | 作成日時：2020年4月13日 0時
