医神と行く地獄巡り2【呪術廻戦】 (ページ5)

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幕間ページ5

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お父様が青と白の庭へと連れていってくれた。
見渡す限り蒼い桔梗で溢れていて、その先に白い桔梗の花があるという。
私はここまでだから、お前は真っ直ぐ行くんだよ。
そう背中を押したお父様を見つめてから、真っ直ぐと歩いていく。

ベルサイユ宮殿にあるような西洋建築物。
フォリーの中に彼は居た。
白のトレンチコートに白のスラックス、白のダブルモンクストラップ、そして顔から肩口を隠すほどの黒のフェイスアップヴェール。
顔が全く見えないのが特徴的だった。
なのに、白い瞳を持っていることを知っている。知らない筈なのに。可笑しな話だ。

彼は見ていた。
私がその場に辿り着いても一切目を寄越すこと無く、ずっと何処かを見ていた。視線を感じなかった。

私は名前を聞いた。彼はフォーリナーだと。
名前を聞いても、フォーリナー、と頭の中に浮かぶ。

フォーリナーって名前なんだろうか。
でも、お父様はクラス名だって言ってた。

＜こちらの法則に縛られない異界の怪物、我らですら知り得なかった異常識＞
彼らを総称して降臨者(フォーリナー)と呼ぶと。

英訳:Foreigner
意味:異邦人、外から来た者。
世界観を乱す者。基本的には友好的な者は居ないと言う。
生命というものに興味は無く、まるで一つの公園、遊園地に過ぎないとお父様言っていた。

そんな存在を、お父様はどうやって？
至って簡単。
私を生贄として捧げていたのだから。
それを知ったのは随分後だったけれど。

フォーリナー、と呼ぶと彼は手を伸ばして私を撫でる。
どんなに覗いても認識できないその顔がとても不思議で仕方がなかった。

彼は世間知らずだった。
私が発する言葉全てに理由を問うのだ。
それを行って君は何を思った。君は何を感じた。
声なんて分からないのに、そう問われた。
私を通して、俗世を知るのが好きなようだった。

「私はA。ねえフォーリナー。」

彼は緩やかに首を傾げた。

「私のお願いを聞いて」

私、桜ちゃんを助けたいの。
そのために、おじいちゃんを殺したいの。
私の命を引き換えに、あの人を殺してよ。

認識出来ない顔は緩やかに微笑んだ。
私の願いを歪ませて、私の願いを殺した。

彼は何もかもを消した。
それが当然だと言わんばかりに消した。
赤と黒に染まったこの世に不釣り合いな純白。

でも私は喜んだ。
幸福とは見方によって変わるのだと、
そこで初めて知った。

一からやり直せば良かったのだから。

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