医神と行く地獄巡り2【呪術廻戦】 (ページ22)

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「逃がさないよ！」

医者は躊躇なく、蛇を呼び出し攻撃を苦し紛れに弾いていく。
空中戦は苦手だ…！と苦渋を呟きながらも手持ちの手術メスを飛ばして追撃する。

さあ、もう一人の呪術師が追いついた。
それと目を合わせて入れ替わり、後衛に周り直ぐに陣地作成を進める。

アスクレピオスにとって死もまた理不尽な病。
全人類が死を克服するために壁になるもの。

あの真薬にまでは程遠い模倣品ではある。
だが、心臓は止まっても、経過時間や死体の状態は良好。つまりは抜群の好条件という事だ。

医者は宝具の展開を始める。
周囲の呪力から補填し、己の魔力を循環させる。

辺りは赤く染まっていく。
さあ。オペの時間だ。

「ーー真の蘇生薬とは比べるべくもない。だが、お前達にはこの処方で十分だろう。受け取れ。」

倣薬・不要なる冥府の悲嘆(リザレクション・フロートハデス)ーー！！

そして、虎杖悠仁は目にした。
ーーーーーー死者を蘇らせる、偉業の蘇生薬を。

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からん、と小刀が手から落ちた。
禅院先輩と手合わせし続けていたから手が麻痺したんだろうかと右手の様子を見る。

何かがゾワゾワと駆け上がってくる。
この感覚はーー……

「……キャスター？」

「あん？どうした仁和？」

「あ、いえ。ちょっと……。」

私の心臓が妙に跳ねていた。
もしかして、宝具を使ったのか？どうして、何のために。

誰かが、危ないのだろうか。
モヤモヤと募る不安に禅院先輩は「一旦休憩にすんぞー！」と止めてくれた。

「どうした仁和。集中切れてんぞ」

「すみません…。どうもピオ先生に何かあったみたいで」

「あの胡散臭い医者にか？」

「胡散臭い……確かに……！！」

「納得すんな」

こつん、と長い棒で叩かれたが禅院先輩はそのまま聞いてくれる。
ちょっとだけ、確認してもいいですか？と時間を貰い少し離れた階段に腰を降ろす。

アスクレピオスの名前を連絡一覧から探してタップする。
静かなコール音。どうだろうか、繋がるかな。

3回目、4回目。…7回目。可笑しい、何時もなら5回コール前に出るはず。
ピオ先生。ピオ先生。お願い出て。

…10回目。

「なんだ」

「…！！、キャスター！！」

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