医神と行く地獄巡り2【呪術廻戦】 (ページ21)

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到着して早々に呪力感知で三つ確認する。
治療した虎杖悠仁と、その近くには呪霊。そしてもう一人の異物。

彼は敏捷性を駆使し、壁を駆け上がり当然の如く学校の窓ガラスをカチ割った。(強化ガラスであれば1枚につき5～6万が相場だ。)

勿論、乱入してきた医者に2人は驚く。

なんだ？と警戒する人型と、先生！！と光を見つけた虎杖。

「全く、医者をここまで扱き使うとは。僕は高いぞ。」

やれやれと破片がついた服を叩き、振り返る医者に勢いよく虎杖は抱きついた。

心が折れそうだった虎杖にはあまりにもいいタイミングだった。神だ、神がやってきた。
兎に角必死だった。安心のあまりに涙が出るほど。必死に必死に言葉を繋げて決壊した涙腺と鼻水を垂れ流した。

医者は呆れた顔で虎杖の額を小突いた。
それからティッシュを作り出し、虎杖の鼻に優しく合わせて「鼻をかめ。ちーんとしろ。」なんて保護者の様に伝える。

ちーん。ずびび。

ぐしぐしと涙も拭いて、わしゃわしゃと布越しの両手で虎杖を撫でまくる。
何処か優しい温かさをもった翡翠に黄色が混じった瞳。
かつては父だったアスクレピオスにとって、虎杖はまるで可愛い幼子のようだった。

「煩いぞ愚患者。起きて早々体を動かして、そしてもう怪我とはな。安静にしろと僕は言ったはずだ。」

「うぐ、ごめん先生……遅れ取らないようにって思って…」

「ふん。後で検診するからな。虚偽なく申告しろ、でなければモルモットだ」

「それは勘弁…っっ！！」

「で？、お前の友とやらはそれか？」と現実を戻すように医者は述べた。

虎杖はすぐ様声をあげた。
俺の、友達なんだ。
順平が、呪霊にされて…！！と。

「助けて先生。順平が死んじゃう…！！」

『助けて、キャスター。藤丸くんが…ｯｯ！！』

嗚呼、そうだ。
お前もあの時、己を憎みながら他者を優先していたな。

虎杖の目元から口がでて、宿儺がゲラゲラと笑う。
救えるものか。あれは最早人間ではなくなった。手遅れだと。

「医者が患者を死なせるわけ無いだろう。」

「…何だと？」

宿儺の批難には一切効果の無い医者は笑う。

「まずは蘇生する為に場所の確保が必要だ。丁度いい、呪術師がもう一人やってくる。虎杖、お前は動けるか？」

「！！、動ける！！」

「そうか。なら直ぐに動け。」

その骸を掴みあげて窓から飛び降りる。
一つ遅れて飛び降りる虎杖と医者に、人型の異物ーー真人はすぐ様攻撃を始めた。

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