医神と行く地獄巡り2【呪術廻戦】 (ページ20)

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「単独行動？」

「そうだ。どうも此処は魔力で満ちている。」

ピオ先生曰く、この世界は呪力で溢れているという。
呪力をより濃縮させれば魔力変換が出来そう、であれば己で補填できるところは補填して、枯渇したら私のパスを通して補填する。その方が私に負担かからずに効率よく回せれる、という。

幸いな事にパスさえ繋がっていればすぐに向かうことも可能である。メリットが多いのだ。

「成程…確かにそれならアーチャーみたいに単独行動が可能だね」

「単独行動、といっても他者に呼ばれたらの話だ」

「と、言うと？」

「伊地知、という奴が見る限り不健康でな」

「あー……伊地知さんかあ………」

定期検診を受けろと釘を刺しているが、時間が無いから受けれないと渋る声が返ってきたという。
そうなると勿論、医者であるキャスターは黙っていられない。
だったら僕が往診に向かってやるから受けろ愚患者！！！！とでも言ったのだろう。

「うん。分かった。伊地知さんの健康の為にもだね」

「そうだ。流石僕のパトロン。物分りが良くて助かるぞ」

ーーーというわけで、単独行動の許可が降りた医者アスクレピオスは、万が一パスが切れたら不味いと私の血液パックを作り、ぽん、と両手を合わせて道具の一部へと仕舞っていた。

万が一の供給に術者の体液が必要だなんて、随分と難しい話をするなと私は思った。
契約相手のサーヴァントが睡眠をとったり食事をとることでも供給は出来るが、
効率重視で行くならやはり体液になる。血液や唾液、涙などはサーヴァントにとってエネルギーになるのだ。なんと度し難い。

そしてその数日後。
キャスターに連絡も取れるしカルテも保存できるしとで渡していたタブレットが振動した。

どう動かすんだマスター。

えーっとね、そこタッチして。

む。…こうか。なんだ、電話か？

首を傾げたキャスターはそのコール音を手に取り、ぽむぽむと叩いてから声をかけた。

「たっ、大変なんです…！！！！」

そう叫んだのは、あの不健康体を持つ伊地知だった。

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「奇病だと言うから来てみれば。僕が来たんだ、医者が患者を死なせるわけ無いだろう。」

犍陀多を救う細い蜘蛛の糸のように、彼は途切れさせることなく結んで掬う。
変型した吉野順平を、その場に伊地知に呼ばれ到着した医神は見逃さなかった。

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