バカ 〜上杉視点 ページ22
「おせーぞ、若王子。」
俺はジロッと若王子をにらみながら言う。
「報告があるから、みんなお前の事待ってたんだよ。」
若王子は挑戦的な目つきで俺を見た。
「俺は、
その言葉に、俺はカチンときた。
「いつまで坊ちゃん態度をとってんだよ。バカじゃねぇんだよ、俺は。ちゃんと時計を見てた。お前は、数分遅れてきたじゃないか。それに、立花からの頼み事は、このZビルから離れたところで実行しなきゃいけない頼み事じゃなかったんだろ?ミニ立花の弁当を持ってくることだろ?」
「クッ...」
若王子は目を細めて、悔しそうに俺を見つめてきた。
「はい、上杉の勝ち。」
若武が笑いながら若王子の肩に手を添えた。
「今日は、なぜだか上杉は機嫌が悪いんだ。悪く思わないでくれ。で、報告は何かというと...」
若武がもったいぶった声で話を始める中、俺はただ隅っこに立って、若王子の言葉を思い出すことしかできなかった。
立花からの頼み事...
ったく、俺、なに嫉妬してんだよ。ただの弁当じゃん。それに、たまたま若王子がその場を取ってたからお願いしたんだろうし。
それでも、なんか気になる。
立花はふつう、何かをしなきゃいけないことは自分でやるタイプだし、人に、しかもたまたま通りかかった時に頼まないぜ、絶対。重大な用事が後であるならそういう行動をするだろうけど...
立花って、別にスポーツとか楽器のレッスン受けてないから、なにがそんなに重大なことだろうか、と首をかしげてると。
「あの金髪野郎のために、立花さんは...」
若王子が確かに、ボソッとそう言ったような気がした。
俺は思わず反射的に首を曲げて若王子のほうを見たが、運よく彼は気づかなかった。
金髪の奴のために...?
俺は、ハッとなる。
美門、か...
立花、急に美門のとこに行くようになったしな。きっと、彼はもう若王子が立花の事を目につけていたことを感じて、できるだけ多い時間立花に会ってんだろう。
俺は、小さくため息をつく。
やっぱ、俺、まだ立花の事が気になる...
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ゆう - 今度は、上彩か、小彩が見たいです (2018年9月1日 12時) (レス) id: da04278cc9 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - と〜ても面白かったです♪KZ大好きです! (2017年9月8日 16時) (レス) id: b396f5318f (このIDを非表示/違反報告)
栞菜 - Gで、上杉君アーヤの事を名前呼びしていた気が・・・。あと、小説面白かったです! (2017年7月22日 18時) (レス) id: 7d102e222b (このIDを非表示/違反報告)
白梅(プロフ) - あぐりさん» それは確かにそうですが、はっきりとした恋心が芽生えた上杉くんなら呼び名くらいは変わると思います。あとは大した最新をしなにのにわざわざ見に来てくださる方に申し訳なく思います。わざわざ注意して頂き、ありがとうございます (2016年11月20日 22時) (レス) id: 69a9555859 (このIDを非表示/違反報告)
あぐり - 上杉は、アーヤのことを立花と名字で呼んでいますよ。直されたほうがよいかと (2016年11月20日 13時) (レス) id: d7a9f1ad50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白梅 | 作成日時:2016年1月4日 5時