心の睨めっこ(3)

23 ＊ ページ23

ラ「そう。そんな事があったの。」







久しぶりにラウラの所に来た。



あの日、散々泣いてどこかスッキリした部分もあった。

だけど、夢に出てきたママ、カラスからの例え話で、気分が重くあまり眠れない日々が続いた。








ラ「それで、どうしたいの？」

「それが、こうしたいっていう欲がなくて…。」

ラ「両親の事は、詳しく知りたくない？」

「知りたい気持ちもあるけど、今更知ってどうなるんだろう？て気持ちもある。」








パパとママは、どんな人だった？


奈央さんやカラスが言う通り、私は本当に愛されていたの？





でもそれを知った所で、この先どうなるわけでもない。

どんなに会いたいと思っても、もう二度と会えないんだから。







ラ「Aの生きたい様に生きなさい。それが、一番正しいわ。」

「私が決める事、全てが正しい？」

ラ「間違ってたら、誰かが教えてくれるわ。私の所に来て、話してる事が可笑しかったら伝えてあげる。でも、あなたはもう、一人じゃないはずよ？」

「え？1人だよ？」

ラ「違うわ。それは、Aが思っているだけ。マスターさん達ミュラー夫妻は、いつも見守っていてくれてる。それに、ハセベとウシーとも仲が良いんでしょ？彼らは、教えてくれない？」

「……そんな事、ないと思う。」

ラ「だから、もう1人じゃないわ。」








ラウラのいう通り、そうなのかな…？



眠れなければ、時差があっても付き合ってくれるカラスが居る。

日本で面白い物、ここに行ってきたよって写真を送ってくれるマコちゃんが居る。

イギリスに居る麻也君も、連休とかで暇ならイギリスに遊びにおいでって言ってくれる。


どんなにお客さんと喧嘩しても、クビにしないで雇ってくれてるミュラー夫妻。


永嗣さんや真司も、会えば普通に接してくれる。




ラウラのいう通りなのかも…。








「ラウラ。あのね、引っ越ししようかなって考えてるんだけど…。」

ラ「あら、そうなの？」

「どう、かな？」

ラ「新しい事にチャレンジする事は、とても良い事だと思うわ。」









ニッコリと笑ってくれたラウラ。



新しい事にチャレンジ、か…。

24 ＊→←22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す