Secret track No.4 ページ10
落ち着いた少女から話を聞いた。
第一発見者であり、少女も心を開いてくれているだろうと、上は俺に事情聴取を任せた。好都合だった。
両親は音楽家。帰宅したところ、急に男が侵入。財産目当てだろう。少女が殺されなかったのは、髪と瞳の色。
アルビノ、と言うらしい。人身売買でもしようとしたのだろうか。全く手を出そうとはしなかったと少女は言った。
「……怖かったな」
「……」
彼女は目線を下げたまま、ゆっくりと頷く。机の片隅に置いたオレンジジュースの氷がカランと音を立てた。
「私、これからどうなるんだろ」
ポツリと零れた言葉。静かな部屋にじわり、と広がっていく。
彼女は泣かなかった。遠い何処かを見つめていた。痛みが、苦しみが、なぜかより一層強く感じられた。
俺はメモ用紙を1枚破り取り、電話番号とメールアドレス、住所を書き記して少女に差し出した。
「俺の連絡先だ。これから辛い事もたくさんあるだろう。何かあれば、連絡してくれ」
彼女は、はっと息を飲んだ。おずおずとメモを手に取り、大切そうに両手で包んだ。
「何もなくても、連絡していいですか……?」
「勿論」
ふっ、と笑みがこみ上げた。少女も安心したように笑った。初めて見た笑顔だった。
「ありがとうございます、入間さん」
「堅苦しいのはいい。好きな様に呼んだらどうだ?」
警官と被害者としてではなく、もっと安心してほしかった。まだ少女は不安そうだ。容姿のことで、辛い経験もするかも知れない。それを防ぐためにも、連絡先を渡した。話して貰うためにも、友好関係を結ぶ必要がある。
彼女はしばらく考え込み、上目を遣ってこちらを見て、言う。
「……銃兎、お兄さん」
今度こそ、声を上げて笑ってしまった。
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ゆゆ - あと銃兎さんと独歩さん推しなのが一緒で嬉しかったです! (2019年5月26日 14時) (レス) id: b6b1790fec (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 初コメ失礼します!銃兎さん登場回数多めですね笑銃兎さん最推しなのでめっちゃ嬉しいです!お話も読みやすかったです!また来ますね! (2019年5月26日 14時) (レス) id: b6b1790fec (このIDを非表示/違反報告)
エレン(プロフ) - 名無しさん» 申し訳ありません。修正箇所を見落としているのですが、もしよろしければ場所を教えて頂けないでしょうか (2018年5月23日 19時) (レス) id: a16f57eab6 (このIDを非表示/違反報告)
エレン(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花さん» ありがとうございます!楽しんでいただけたら嬉しいです!いってらっしゃいませ〜! (2018年5月23日 19時) (レス) id: a16f57eab6 (このIDを非表示/違反報告)
エレン(プロフ) - 名無しさん» あららら、ご指摘ありがとうございます! (2018年5月23日 19時) (レス) id: a16f57eab6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エレン | 作成日時:2018年2月9日 7時