13th track ページ22
銃兎さんの知り合い──碧棺さんと毒島さんは、同じ「チーム」のメンバーらしい。
話を聞けば、なにかとんでもない勘違いをされていたようだ。
それにしても、彼の口から「妹」と出てくるのは、正直嬉しかった。
銃兎さんは止めたが、私は彼らに、銃兎さんとの出会いを話す。両親のこと、連絡を取り合っていること。初めてこっちに来たので、会おうと約束をきていたこと。
「貴殿にもそのような時があったのか……」
「ちょっと待ってください、どういう意味ですか」
「銃兎……妹は大事にしろよ」
「……わかっています。貴方に言われずとも」
毒島さんは目を丸くし、碧棺さんはやけに重い声で銃兎さんに言った。
今日はやけに怖そうな人と出会うが、皆いい人で安心した。案外楽しくやっていけそうだ。
「おい、A」
碧棺さんから名を呼ばれる。凄みのある声で、少し肩を震わせるが、大きな手が私の頭を包んだ。
「う、わ……」
「何かあったら言え。力になる。最悪警官だけじゃやりきれねぇこともあるだろ」
乱暴に髪を撫でられるが、嫌な気は全くしなかった。優しい人。そう思った。
きっと、大切な人がそばにいるのだろう。ただ単純な理由で彼はその職業に就いているわけではなさそうだ。
「そういえば、貴方とA、似ているところがありますね」
「ああ……」
髪も瞳も。それだけでなく、彼も家族を失くしているらしい。
「なんつーか……放っておけねぇ。わかるか?他人じゃねぇ感じ。お前の妹みてぇなもんだからってだけじゃねぇ。……上手く言えねぇけどよ」
ま、そういうこった。彼は2度私の頭をポンポンとはたき、手を下ろした。
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ゆゆ - あと銃兎さんと独歩さん推しなのが一緒で嬉しかったです! (2019年5月26日 14時) (レス) id: b6b1790fec (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 初コメ失礼します!銃兎さん登場回数多めですね笑銃兎さん最推しなのでめっちゃ嬉しいです!お話も読みやすかったです!また来ますね! (2019年5月26日 14時) (レス) id: b6b1790fec (このIDを非表示/違反報告)
エレン(プロフ) - 名無しさん» 申し訳ありません。修正箇所を見落としているのですが、もしよろしければ場所を教えて頂けないでしょうか (2018年5月23日 19時) (レス) id: a16f57eab6 (このIDを非表示/違反報告)
エレン(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花さん» ありがとうございます!楽しんでいただけたら嬉しいです!いってらっしゃいませ〜! (2018年5月23日 19時) (レス) id: a16f57eab6 (このIDを非表示/違反報告)
エレン(プロフ) - 名無しさん» あららら、ご指摘ありがとうございます! (2018年5月23日 19時) (レス) id: a16f57eab6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エレン | 作成日時:2018年2月9日 7時