【ヒプノシスマイク】マイクを持つ手に花束を

1st track ページ3

引っ越してきたばかりの転入生、ただでさえ目立つというのに、この髪やら目やら何やらでもっと注目を浴びる。

ええ、そりゃあもう仕方ないとは思っているが、そこにプリントの大荷物さえも放り込まれば流石にうんざりする。

日直の仕事は嫌いではないが、こうも奇異な目で見られるのもいい気はしない。手伝うわけもなく、皆わぁとか何だあれ、とか意味の無い言葉の羅列。私は足早に、提出箱までそれを運ぶ。

さあ、もう、帰ろう。
目線は慣れた。……いや、慣れていないのかもしれない。嫌な気分だった。

｢……うっそぉ｣

ばさり、と音がしたと思えば、足元には大量の紙。どうやら置き方が良くなかったらしい。提出箱に置いたはずのそれは、半分以上が廊下に逃げ出していた。

それでも尚、誰も来ない。化物。そんな言葉が脳裏にふと蘇った。

｢うわ、大丈夫？｣

言葉は新たな声にかき消される。
イレギュラー。隣にはいつの間にか男子生徒。ふと見上げると、綺麗な色の瞳をした、同級生が私を見下ろしていた。

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