9th track ページ18
「だ、大丈夫ですかっ!!?」
高い身長の男だ。そんなにボロボロな服装ではないので、ホームレスという訳では無さそうだ。ここで眠っているということではないだろう。そして、意識はある。
どうしよう。電話?救急車でも呼ぼうか?
「お水、いります?」
そうだ。何か、意識をはっきりさせればいい。私は鞄からペットボトルの水を持ち出し、彼に差し出した。虚ろな目がそれと焦点を合わせる。
「いいのか!?」
ガバリと起き上がり、彼は勢いのままに尋ねた。
私が頷くと、彼はそれを一気に飲み干す。大きく息をつき、まるで生き返ったようだった。
「いや……ここの水で1回腹壊して億劫になってたんだよな……」
「そうなんですね」
ありがとな、と彼は私に笑いかけた。人助けができたなら、良かっ──
「うぅ……」
2度目。
「ど、どどうしましたぁ!?」
またもや倒れ込む男。
今度は胎児のように蹲り、腹を抱えた。
「腹が……」
どうやら水では満ちなかったらしい。
「…………」
私は鞄の中を見やる。
男の腹が切なそうに、きゅうと音を立てた。
10th track→←8th track(side:girl)
306人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆゆ - あと銃兎さんと独歩さん推しなのが一緒で嬉しかったです! (2019年5月26日 14時) (レス) id: b6b1790fec (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 初コメ失礼します!銃兎さん登場回数多めですね笑銃兎さん最推しなのでめっちゃ嬉しいです!お話も読みやすかったです!また来ますね! (2019年5月26日 14時) (レス) id: b6b1790fec (このIDを非表示/違反報告)
エレン(プロフ) - 名無しさん» 申し訳ありません。修正箇所を見落としているのですが、もしよろしければ場所を教えて頂けないでしょうか (2018年5月23日 19時) (レス) id: a16f57eab6 (このIDを非表示/違反報告)
エレン(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花さん» ありがとうございます!楽しんでいただけたら嬉しいです!いってらっしゃいませ〜! (2018年5月23日 19時) (レス) id: a16f57eab6 (このIDを非表示/違反報告)
エレン(プロフ) - 名無しさん» あららら、ご指摘ありがとうございます! (2018年5月23日 19時) (レス) id: a16f57eab6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:エレン | 作成日時:2018年2月9日 7時