127 ページ33
Aside
保健室に行けば、そこには誰もいなかった。
ベッド勝手に借りちゃっても大丈夫だよね？
奥のベッドの方に行ってカーテンを占める。
そのまま倒れるように寝っ転がれば、全身の力が一気に抜けていく。
水分取らなきゃまずいよな...
でもそんなことをする力なんて残っていない。
疲れが溜まっていたのか、自然と瞼が重くなる。
『....る？』
意識が飛びかけたその時、微かに聞こえた声に目を開ける。
阿｢A〜いる？｣
阿部くんの声だ。
｢奥に、いるよ｣
なんだか上手く力が入らなくて、辛うじて場所だけ伝えた。
阿｢奥？...開けるよ、いい？｣
その声と同時にカーテンがシャッと開けられる。
阿｢体調大丈夫？...じゃなさそうだね｣
阿部くんの質問にも上手く答えられなくて、反応だけ示そうと静かに瞬きをする。
阿｢水分とった？｣
首を横に振れば、心配そうな目をした阿部くんがベッドの縁に座る。
汗で張り付いた前髪をはがすようにどかすと、阿部くんの手のひらが額に触れる。
その手はひんやりしていて気持ちよかった。
阿｢やっぱり熱いな...冷えピタ貼っとこうか。｣
そう言うと阿部くんは1度立ち上がり、傍を離れる。
戻ってきた阿部くんは冷えピタを持っていた。
阿｢冷たいけど我慢してね...｣
そう言いながら私の額にそれを貼る。
突然感じた冷たさにほんの少し頭が痛む。
阿部くんはそれを慣らすように手のひらで額を包んでくれた。
阿｢あと、ちょっとだけこれ飲も？｣
私が起き上がろうとすると、背中に手を入れて支えてくれる。
渡されたスポーツドリンクはわざわざ買ってきてくれたの、よく冷えていて冷たかった。
キャップを開けようとするが上手く力が入らない。
それを察した阿部くんが蓋を開けて渡してくれる。
ひとくち飲めば冷たい液体が喉を通る感覚がして、少し体が楽になったような気がした。
阿｢うん、飲めたね。よかった。｣
阿部くんはほっとした様子で笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 515人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なあや。(プロフ) - タピオカミルクちぃさん» コメントありがとうございます！私の作品で涙を流してくださるなんて...本当に嬉しいです(；；)本当に皆に幸せになって欲しいですよね...これからもよろしくお願いします！ (2020年8月19日 12時) (
レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
タピオカミルクちぃ(プロフ) - コメント失礼します……!!!更新されるたびにワクワクしながら読んでいます。照君に上手くいってほしい気持ちや、佐久間君や阿部ちゃんに頑張ってほしい気持ちなどすごく複雑でした。照君と喧嘩しちゃうシーンに思わず泣いてしまったり……これからも楽しみにしてます！ (2020年8月19日 2時) (レス) id: 0561d521b1 (このIDを非表示/違反報告)
なあや。(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！私も1人を選ぶのが辛くなってきました(；；)更新のペースが落ちてしまって申し訳ありません。楽しみに待っていていただけると嬉しいです！ (2020年8月12日 23時) (レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
なお - 次の更新楽しみに待ってます！このままひかる君とうまくいって欲しい気持ちとさくま君にも幸せになって欲しい気持ちで感情がゴチャゴチャです´д` ; 更新頑張ってください！！ (2020年8月12日 18時) (レス) id: d2ae414ded (このIDを非表示/違反報告)
なあや。(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます^ ^そうなんですよね...ハッピーエンド目指せるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年8月5日 0時) (レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なあや。
| 作成日時：2020年8月1日 19時
