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目黒side


先生が教室に入ってきて、間もなくチャイムがなった。

それでも後ろの席は空いたまま。



『目黒〜Aは休みか?』


珍しいなぁ、なんて呟きながら俺に聞く先生。


目「いや、朝はいたはずなんすけど...」

『そうかぁ、保健室でも行ってんのかなぁ』
『よし、授業始めるぞ〜』



保健室ね...

朝からずっと咳をしているAが気になっていた。
周りへの配慮かほとんど我慢しているように見えていたけど。

体調が悪化したのかな。
もう少し気遣ってやるべきだったかな。
でも俺もあの時は冷静じゃなかったし...

なんて考え始めればキリがない。
授業の内容はほとんど入ってこない。




そして考えることに集中しすぎたせいか


『連れてったの樹先輩だよね?』
『やばくない...?』
『でもAさんだし大丈夫でしょ...』


なんて話してる周りの声は聞こえなかった。







結局放課後になってもAは教室に帰ってこなかった。

連絡をとることも出来ないし...
仕方ない。もう帰ろう。


そう考えて荷物をまとめる。


ふと後ろの席をみた。


目「...あいつ」


目に入ったのは机の横にかかったままのお弁当。
手に持ってみればまだ重かった。



目「昼食ってないのかよ...」



...食欲なくすほど体調悪かったのか?
考えれば考えるほど心配になる。


でもどこにいるかも分からないし
なにより俺らは喧嘩中だ。


仮に俺が探して見つけても
Aは気まずい顔をするに違いない。



本当は見つけて連れて帰って看病して...
なんて考えるけどどうしようもない。

きっと荷物取りに戻ってくるだろう。
せめてもの気持ちで飴玉を2つ机に残して帰った。






校舎を出て校門に向かう途中。


『まじでありえない!』

[ごめんって〜]

『もういい!別れる!あんたなんかこっちから願い下げよ!』

バチンッ


痴話喧嘩をしているカップル。
彼女の方は怒った様子で盛大なビンタをかまして帰っていった。
それでもヘラヘラとしているチャラそうな彼氏。

まじよくこんな目立つとこで出来んな...


面倒くさく思いながら男の横を通り過ぎようと歩き出す。


ふとその男がこちらを向き、目が合う。


[...あ]


小さく声を上げてにやりと笑う。
そして徐々にこちらに近づいてくる。


[目黒じゃん笑]

目「...誰?」


こいつ知り合いだっけ...?


[あー、俺ね、田中樹って言うの。一応先輩な?]

目「...へえ」

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設定タグ:渡辺翔太 , SnowMan   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:なあや。 | 作成日時:2020年5月24日 2時

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