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目黒side
向「話は最後まで聞いてやらなあかんで?」
眉を下げて言う康二。
目「...分かってるよ」
ラ「ちゃんと仲直りしてね?」
同い年だけど弟みたいな存在だったラウールにそう言われるのが少し恥ずかしく感じた。
目「...でも、俺」
「今の状態であいつと冷静に話できる自信ねえ...」
言葉を発さず、静かに話を聞く2人。
目「ちゃんと話聞いてやらなきゃって思ってる」
目「けど、あいつの顔見ると怒りばっか湧いてきて」
目「考えるより先に傷つけるようなことばっか言っちゃうんだよ...」
そっかぁ、と小さくつぶやくラウール。
向「...そんな焦らんでもええんちゃう?」
目「...え?」
向「別に今すぐ仲直りせなあかんわけちゃうやろ?」
康二の思いがけない返答に目を見開く。
向「めぐきゅんがまず冷静になってゆっくり考えて、気持ちの整理がついたらちゃんと話聞けばええと思う」
まあ知らんけどな、なんて笑って誤魔化す康二を見て自然と笑みがこぼれる。
ラ「わあ、康二くんいいこと言う〜笑」
向「馬鹿にしとるやろ!」
なんて騒ぐ2人を横目に、心がスーッと軽くなるのを感じていた。
目「康二」
向「ん?」
目「...ありがと」
普段を伝えない感謝の言葉を口にすれば驚いた様子の康二。でもすぐに笑顔になる。
向「はよ弁当食わな!時間ないで!」
そのあとは馬鹿みたいに騒いで久しぶりに一緒に過ごす昼休みを楽しんだ。
深「あ!目黒!」
教室に戻る途中、ふっかさんと会った。
あの日からまともに話すのは初めてで少し緊張が走る。
目「...なんすか?」
深「あのさ、A知らね?」
目「俺は知らないっすけど...」
昼休みに入ってすぐに教室を出てしまった俺は、そのあとのAのことなんて知るわけがない。
目「一緒に飯食ったんじゃないんすか?」
深「それが屋上に来なくてさぁ」
目「...え?」
あいつどこいったんだよ、なんて頭をかくふっかさん。
深「まあ授業始まっちゃうし、いたら連絡しろよ!って伝えといて!」
目「あ、あいつ今、」
スマホ壊してて、と言う前に行ってしまった。
仕方なく教室に戻ると、Aはまだ戻ってきていなかった。
いつもは余裕をもって席についているはずなのに。
ほんの少しの違和感をもちながらももうすぐ始まる授業に備えて準備を始める。
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作者名:なあや。 | 作成日時:2020年5月24日 2時