[Elext City] Ⅱ (ページ29)

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感染したバグを綺麗に除去して、ラウールは翌日再び向井と共に[Elext City]へとダイブした。
昨日聞いた、今ここにいない社員である2人の手掛かりについてを探す為だ。
ko-ji!《ラウ、ほんまに大丈夫やの？昨日の今日やって言うのに…》
rau♡《大丈夫です、そこまで大きいバグでもなかったんで。…それに、あまり悠長にしている時間もなさそうですから》
ko-ji!《そ、そう？ほんならええんやけど…じゃあ、俺こっち行くわ、何かあったらすぐ言うんやで！》
昨日の様に手分けをして探そうと、一旦向井と分かれ、ラウールも手掛かり探しに歩を進めようとした。

《随分と大変そうだね？》
そんな会話をしていると、突然背後から声がかかった。
思わずびっくりして振り返ると、見知らぬ男性がヘラヘラと笑いながらこちらを見ていた。
rau♡《え、えっと…》
《あぁそうだね、はじめましてさんだ。そうだなぁ、俺の事はそこら辺にいる村人Aくらいに思っていてよ》
ラウールと向井が動揺していると、周りにいたプレイヤーたちが「すげぇ…」「本物だ…」「初めて見た…」等と言う声をあげているのが聞こえてくる。

rau♡《な、何か御用でしょうか…》
《うーん、御用って程の御用でもないんだけどさ。そう、君は気にならないのかなぁって》
rau♡《…何を、ですか？》
《中央の神殿にいる黄色い神官さん、なーんか1人だけ、堅いと思わない？人間味がないっていうかさ》
rau♡《そりゃ、NPCですから…》
《それでも「他の2人」と違って、妙に作られた感が強いよねぇ》
rau♡《…》
《ま、ただの村人Aの戯言程度に思っていてよ、それじゃ》

一方的に話すだけ話して、その男はひらりと後ろを向いて歩いて行ってしまった。
ラウールはすぐさま向井に連絡を繋ぐと、神官の所に行きたいと言う旨を伝えた。