[Elext City] (ページ14)

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阿部「今日15時からメンテナンスがあるから、ラウールは作業の流れをきっちり頭に入れてね」
ラウール「はい！」
阿部「今日はちょっとした不具合の修正だけど、イベントが始まる時とかに備えて早い事仕事を覚えてほしいし」
松村「阿部さん、本日のメンテナンスについてなんですけど…」
阿部「何？あ、ラウール、資料に目を通しててもらってもいいかな？」
ラウール「わかりました！」

数週間が経って、やっと職務にも慣れてきた頃、入社して初めてのメンテナンス作業に当たったラウールは内心舞い上がっていた。
座学と研修で話は聞いていたものの、やっぱり実際にやるとなると心躍るものはあるのだ。
しっかりと自分のこれまでの知識と照らし合わせて、せめて足は引っ張らないようにと資料にじっくり目を通す。

向井「ラウ～！」
ラウール「あ、向井さん！どうかされましたか？」
向井「ん～？今日初メンテやろ？応援しに来た」
阿部「おいこら康二、仕事は」
ラウール「わっ」

いつの間にやら話を終えていたらしい。
阿部と松村がラウールに絡みに行っていた向井の元へとやってきていた。
向井「んふ、ちゃんとTwitter更新しましたやん！メンテンナンスのお知らせ～って！」

松村「…向井さん、昨日の分のTwitterに何か意見などは寄せられていましたか？」
向井「あっ、そうそう。それを持ってきたんよ～！はいこれ！何か軽く目ぇ通した感じやと、たまにアバターのお洋服とかが不鮮明に見えるバグが起こってるらしいで？」
チラリ、と覗いた数枚の紙には「服のモザイク何とかしてくれ」だの「今日アバターの一部がモザイクになっている人見かけたけどあれ正解？」だの軽い口調で書かれた意見が垣間見えた。