病める時も健やかなる時も(橙) (ページ13)

今日:2 hit、昨日:14 hit、合計:6,109 hit

敏腕執事にお任せページ13

「…アホくさ」

ねる前の時間、私のすいそくを話すと丸山が一番さいしょに言ったのがそれだった。

「前に『丸山にはっ、ちゃんと幸せになって欲しいのっ♡』って可愛いこと言うとったのはどこの誰ですか」
「え、私かわいかった？じゃなくて！
幸せになれないかもしれないから言ってるんじゃない！」
「お言葉ですがね繭華様？
貴女はまだ9才ですよ？自分の発言に責任が持てますか？持てませんよね？
それに、僕も僕なりに彼女を見てきたつもりです

いきなりさっ…咲子さんがスパイやなんて、そんなん信じる方がおかしいでしょう」

そう
私の見たてでは、咲子さんはスパイ。

どこの人か、何のためなのか、それは分からないけど

「…今日ね、咲子さんとぶつかって、ケイタイを拾ってあげた時に

見ちゃったの
そこに来てたメッセージ」

そこには知らない男性の名前と
『今回も情報ありがとう、これで神宮寺と戦いやすくなる』と。

神宮寺は、私の名字。
おそらくでもこれは…パパのこと。
神宮寺のグループをしきってるのはパパだから。

「その時ね、咲子さん、しりょう持ってたの
さいしょはパパが何かたのんだと思ってたんだけど、」
「それはおかしい」
「…丸山も気づいた？」

「…今日、御父上は泊まりがけの出張のはず
さっちゃんは御父上の連絡先は知るわけない」

さっちゃん呼びが出てきたがここはスルーしよう。

き本的に、パパのれんらく先を持ってていいのは、丸山と、私と、使用人の長である紀子さんだけ。
なんならみくちも知らないもん。

丸山もどうやら、ことのしんぴょうせいを感じたらしい。

「…分かりました
繭華様、それではこの一件、この丸山に一任してはいただけないでしょうか」
「丸山に？」
「悪いようにはいたしません」
「…わかったわ、やってみなさい」
「はい」

どうやらこの件は丸山が解決するらしい。
でも…咲子さんがいい人そうなイメージは私の中では変わってない。
丸山はどうするんだろう。