4. 面白いので性別を勘違いさせ続けます ページ8
「戻ったよー。」
Aちゃんとの昼食後、タイミングが合えばそのままオフィス見学をさせて伊沢に会わせてしまおうと思っていたが、仕事があるらしくそのまま解散となった。
正直、伊沢さえ彼女を気に入ればあとは口達者な彼に説得してもらおうと考えていたのだが...
「あれ、福良さん昼飯食ってきたのー?」
「うん、そう。今日は外でね。須貝さんは...どうしたんですか?」
オフィスへ戻ると慌ただしい様子の須貝さんがコートを着て動き回っていた。
どうみてもこれから昼食に行くようには思えない。
「いや、今日は昼で上がるわ、このあと急遽研究室行く事になっちゃって。」
「そうなの?じゃあ今日は須貝さん抜きの撮影進めますね。」
「申し訳ない!じゃあお先!あ、伊沢!さっきメール送ったから手空いたら見といて!」
ちょうど現れた伊沢にも声をかけ、荷物を掴みバタバタと駆けていく須貝さん。
「大変だね、須貝さん。」
「だね、ところで福良さん1人?てっきり例の推薦の人連れてくるのかと。」
「そのつもりだったんだけど今日は仕事みたいで。後日になっちゃったよ。」
「そりゃ残念っすね。」
珍しく伊沢が終日オフィスに居る予定の為、今日がチャンスだと思っていたのは俺だけでは無かったらしい。
「福良さんの推薦?ライターさんですか?」
「え、なにそれ気になる!」
山本とこうちゃんが俺と同様に昼食から帰ってきた。
「うん、一応ライター予定の子だよ。来月から公募もあるけど採用出来るかわからないし。後輩なんだけど文も書けるし音楽も強いみたいだから。」
「へー!後輩ってことはいくつなんですか?」
「えっとね、伊沢の1つ下だから川上とか鶴崎と同級生かな。2人よりかは歳上だね〜」
「先輩だー!え、クイズは?クイズ?」
本人不在な上に何なら採用が決まったわけでも無いのに質問攻めしてくる2人。
「こうちゃんも山本も福良さんをあまり困らせるなよ〜!」
「だって福良さんの推薦だなんて絶対凄い人じゃないですか!ねぇ山本さん!」
「そう!だから僕ら気になっちゃうよね〜」
「まぁね、俺も楽しみだし気になるけどもね!」
「おい、伊沢。」
彼に対して少しでも優しいと思ったこの感情と時間を返して欲しい。
「まぁ週明けには来るからその時にでも聞いて。」
Aちゃんごめん...多分想像の数倍期待値が上がってるみたいだ。
でも彼女ならきっと大丈夫だろう、何となくそう感じた。
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作者名:るん子 | 作成日時:2020年7月25日 14時