20.5 気合いを入れる10分間 ページ30
年が明け、2020年がやってきた。
年末には漸く河さんとも話せ、拳さんの言動には驚かされたものの、なんとか耐えたと思う。
まぁ油断できるわけでは無いけど...
そしてこの職業、正月三が日休み!なんて気楽なものではない。
本日1月2日は現場初めとなった。
有難いことに普段より大きい規模のイントに私は参加していた。
地下アイドルの中でも、集客、知名度と高いグループばかりが出演する今イベントは、かなり重要である。
私の所属する、れいんぼーぱれっと!よりも圧倒的やアイドルばかりなので、1人でも引っ張れたら上出来。今は引っ張れなくても最悪Twitterのフォロワーさえ増えれば儲けモンと感じる。
「A?出番だよ?行くよ!」
「うん!モモコありがとう!」
今からの10分は必死に掴んだ貴重な時間。
観てる人ががっかりしないパフォーマンスを全力で。
気合いを入れ直し私はステージへの階段を駆け上がった。
「それでは聴いてください、
ぷろみず。」
-
「A、あけおめ!今日いつもの数倍かっこよかった!」
「本当!?ありがと!あけおめだね!」
いつものファンに加え、新しい顔もちらほら。新しい顔の数を見て、悪くないパフォーマンスだったのだと心の中で安堵する。
「今年はもっと頑張るから、私に着いてきてね?」
「勿論!新規ちゃんと捕まえてよ、A!」
「わかってまーす!じゃあまたね、ありがとう〜」
いつも支えてくれるファンの時間が終わり、次の方へ移る。
あ、初めてだ...
「初めましてですよね?Aです、来てくれてありがとう!」
「ステージ良くて気になって来ちゃった!」
「嬉しい〜!ポーズ何にします?ー
-
「新年早々お疲れ様!明日は休みだけど、4,5日は現場あるから遅刻しないようにね。じゃあ解散!」
特典会も終わり、イベント自体はまだ開催されているが私たちは解散となる。
メンバーと駅まで向かっているとモモコが話しかけてきた。
「A〜明日何するの?」
「家で仕事かなぁ...モモコは?」
「明日バイトなんだよね〜遊びに来ない?」
「カフェ?カフェで仕事しようかな。」
「やったー!あ、まりちゃんも来ない?」
少し前を歩いていたメンバーのまりにも声を掛ける。
「まりも行く〜!Aちゃんお邪魔していい?」
「勿論!一緒にモモコに奢ってもらお!」
「えぇ!?聞いてないそれ!」
ネタ出しくらいしか出来無さそうだけど、まぁそれもアリかななんて思う帰り道であった。
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作者名:るん子 | 作成日時:2020年7月25日 14時