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参拾玖話 ページ24

ーA視点ー

『…』

??「………お前…ここに閉じ込められているのか…?」

『…コクン』

私は頷く、それだけしかできなかった。

男性は鍵を外そうとした。

??「…」

だが開けれなかったらしく、またこちらを見た。

??「鍵はないのか?」

『…ぁ…こ、れ…』

私は兄さんから貰った鍵を彼に渡した。

 カチャッ

??「これで出られるだろう。」

私はふらりと立ち上がり、牢屋を出た。

が、足に力が入らなく、そのままへたり込んだ。

??「…ずっと牢屋(ここ)に閉じ込められていたのか?」

『…気付いたら…ここにいた…』

??「…そうか…」

男性がなぜそんな事聞いたのか分からない。

しばらく沈黙が続いた。

その沈黙を破ったのは男性だった。

??「お前はどうしたい。」

『ぇ…?』

??「このまま家族の後を追い、死ぬか。誰かに引き取られ、生き続けるか。俺についてくるか。お前はどうしたい?」

『…』

すぐに答えは出なかった。

だけど、兄さんと凛太郎、凛子を見たら悲しみより怒りが湧き上がった。

『………貴方に…ついていく…』

??「…」

『私も…貴方みたいに………強くなりたい…もう、縛られて生きるのは…嫌だ。人を失うのは…嫌だ…!』

??「………分かった、ついてこい。」

『はい…』

私は男性の後を追ったが、気がついて最初に見えたものはとある天井だった。

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作者名: | 作成日時:2020年10月25日 10時

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