肆拾話 ページ25
ーA視点ー
??「起きたか。」
『!』
あの男性は立ち上がり、部屋を出た。
私は何もする事がなく、ただ部屋を見回した。
初めて見る所。
世に言う西洋と言う形の部屋。
窓の外を見ると、透き通るような綺麗な青空が映っていた。
『…』
初めて見るものばかりだった。
ガラガラッ
???「失礼します。検査をしますのでじっとしててくださいね。」
毛先が紫色で髪を後ろで纏め、蝶と言う蟲の髪飾りをつけている私よりも少しばかり大きい少女が私の近くに来た。
『………あ、の…』
???「どうしましたか?」
『ここは………一体…』
???「ここは蝶屋敷と言う所です。」
『蝶、屋敷…?』
???「はい、いわゆる病院です。」
『病院…』
確か、怪我や病気を治してくれる所だった。
???「終わりました。もう動いて大丈夫ですよ。では。」
『あっ…』
???「?」
『…あの人…』
???「あの人…?」
『左右の眼の色が違くて…口元に包帯を巻いている人…』
???「ああ、伊黒さんの事ですね。少し待っていてください。」
『はぃ…』
私は伊黒?さんと言われた人に言いたい事があった。
兄さんが教えてくれた。
何かしてもらったらありがとうと言う事。
お礼がしたかった。
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作者名:靉 | 作成日時:2020年10月25日 10時