弐拾陸話 ページ10
ーA視点ー
「人の考えている事が分かるなんて!ああ気持ち悪い!」
「こいつはおかしい!幽霊など存在する訳ないだろう!!」
私は否定されて生きてきた。
第六感が優れており、人の考えている事が分かる事。
霊感が鋭くて本来、見えないはずの物が見えている事。
物心ついた時から私は独り、牢屋に入れられていた。
理由は分からなかった。
私が牢屋に入れられて、しばらく経ったある日、一人の女性と若い男性が来た。
?「怪我、してないわよね?痛いところない?」
『…コクン』
???「よかった…」
『………だ…れ、?』
椿「あら…ごめんなさいね。いきなり来て驚いたでしょう?私は椿、京 椿(かなどめつばき)よ。貴方のお母さんなの。」
龍之介「俺は龍之介、お前の兄ちゃんだ。」
『…かぁ…さん、と………にぃ、さん…』
椿「!!そうよ。ありがとう、お母さんって呼んでくれて。」
『…』
『………わ、たし…は…?』
椿/龍「?」
『わた…し、は…?じゃま…も、の?って……言、う…の…?』
椿「っ違うわ!」
龍之介「!!母さんっ、シーッ…!」
椿「!…っごめんなさい……、それと、貴方は邪魔者なんかじゃないわ。貴方はA…京Aって言うのよ。素敵な名前でしょう?」
『…A…?わ、た…しが?』
初めて私を邪魔者と呼ばない人が現れた。
とても、嬉しかった。
私は自然と涙を流していた。
18人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:靉 | 作成日時:2020年10月25日 10時