廿参 ページ23
暫くして、志賀や国木田の助けも有り、やっと落ち着いてきた中島は、此処に来てから少なからずとも、気になっていた事について聞いた
中島「そういえば、皆さんは、探偵社に入る前は何を?」
だが、聞いた途端にその場にいる全員がシンと黙った
中島「?」
太宰「何してたと思う?」
中島「へ?」
太宰「なにね、定番なのだよ。新入りは先輩の前職を中てるのさ」
太宰の云うように、志賀や谷崎、ナオミ達が前職中てをして、各々面白い結果を出したのは記憶に新しい
中島「はぁ……じゃあ……
谷崎さんと妹さんは……学生?」
谷崎「おっ、中ッた、凄い」
ナオミ「どうしてお分かりに?」
中島「ナオミさんは制服から見たまんま。谷崎さんのほうも――齢が近そうだし、勘で」
ナオミの問いに、少しはにかみ乍答えた
志賀「やりますね、意外。俺、ナオミさんは解りませんでした」
中島(あれ、褒められた…?)
ナオミ「あの時は本当に。頑張って考えて、結局謝りましたからねえ。見ていて楽しかったですわ」
志賀「あれはもう忘れて下さい…」
実は、谷崎兄妹が入社した時、志賀が太宰の提案で(無理矢理)前職中てをしていたのだが、その時、一時間にも及ぶ長考の末「すみませんでした…」と答えた。それは今でも、笑い話のネタにされている(すればキレるのだが)
笑い話に花(と若干の火花)を咲かせている谷崎兄妹と志賀を横目に見て、太宰は続きを促す
太宰「じゃあ直哉君は?」
志賀「え、やだ…」
中島「うーん……。僕より年下ってことは、谷崎さん達と同じく学生?あれ…?じゃあ、今学校に行ってる時間なんじゃ……?」
ナオミ「私の前職中てをしている時の直哉君のようですわね」
国木田「はぁ……。小僧、そいつの過去は地雷原だ。あまり詮索するな」
志賀「1つ云えるとしたら、社長の御厚意で、幼少から探偵社で働いてるってこと位ですかね」
中島「はあ…………」
太宰「じゃあ次、国木田君は?」
国木田「止せ、俺の前職など如何でも――」
志賀「良くないですよ。俺の地雷に触れたんですから」
国木田「ちっ」
中島「うーん、お役人さん?」
志賀「惜しいです」
太宰「惜しい」
太宰「彼は元学校教諭だよ」
志賀「数学でしたっけ?」
中島「へえぇ!」
国木田「昔の話だ。思い出したくもない」
中島(なんか納得……って云ったら投げられるな)
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神楽かな(プロフ) - 面白いですね! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった!! (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無銘 | 作成日時:2017年5月5日 14時