拾捌 ページ18
国木田の言葉に
太宰「そう云うことだよ敦君、つまりこれは、一種の
―――――――入社試験だね」
と応える
中島「入社…………試験?」
??「その通りだ」
戸惑う中島の声に、威厳のある低い声が応えた
和服を纏ったその男こそ
武装探偵社
社長
福沢 諭吉――――
能力名『人上人不造』
展開が速すぎて着いていけていない中島を他所に、国木田は福沢に「社長」と云って礼をしているし、志賀は(傍から見れば解ったものではないが)目をキラキラさせている
その光景を見て、目の前の男がかなりのお偉方だと気付いた中島は
中島「しゃ、社長!?」
失礼も気にせず叫んでしまった
福沢はそんな中島の態度を咎めることも無く
福沢「そこの太宰めが、「有能なる若者が居る」と云うゆえ、その魂の真贋、試させて貰った」
と云い放つ
福沢の言葉の後に、太宰が補足するように云う
太宰「君を社員に推薦したのだけど、如何せん君は区の災害指定猛獣だ。保護すべきか社内で揉めてね。で、社長の一声でこうなった、と」
国木田「で、社長……結果は?」
太宰の横で、あんぐりと口を開けたままの中島を無視して、国木田が福沢に結果の是非を問う
福沢は、国木田の問にはしばらくの間答を出さずに、中島の目を見詰めた
そして、一瞬目を閉じて
福沢「太宰に一任する」
と一言放ち、去って行った
中島「…………」
太宰「合格だってさ」
しばらくの沈黙の後、太宰が云った
中島ははっと振り返り
中島「つ、つまり……?僕に斡旋する仕事っていうのは、此処の………?」
問うた
太宰はクスと静かに笑い、中島の問には応えずに
太宰「武装探偵社へようこそ」
と云った
ナオミ「うふ、よろしくお願いしますわ。」
谷崎「い、痛い、そこ痛いってば、ナオミごめん、ごめんって!」
谷崎潤一郎――――
能力名『細雪』
その妹――――
ナオミ
谷崎兄妹の、なんとも如何わしいやり取りを見せられていた中島は、ナオミの制服のポケットから伸びる手を見付けてしまった。そして、それが先程自分を押した何者かの正体であるということも、容易く理解した
視線に気付いたナオミは「うふふ」と微笑み乍、その手を動かして見せた
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神楽かな(プロフ) - 面白いですね! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった!! (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無銘 | 作成日時:2017年5月5日 14時